風邪 -しんみな- (ページ3)

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「ｹﾎｯ……ｹﾎｯ」

それからすぐ、俺が風邪をひいてしまった。

体がだるい。

頭も痛い。

関節の節々も痛い。

「慎兄、一人で大丈夫？」

桜子が気遣ってくれる。

「大丈夫だから、学校行ってこい」

「おかゆ作ったから、後で食べてね」

「サンキュ。気をつけてな」

「は～い。行ってきま～す」

皆いなくなって、俺一人。

寒くて布団をかぶる。

…湊さん、何してるかな。

……寂しい。

風邪ひくと…心が弱くなる。

pipipi。

ただいまの体温は３８度５分。

ﾊｧ…。

数字を見ただけで気が滅入る。

眠れそうにない。

なんて思ってても、自然と瞼が降りてきて…睡魔に身を任せた。

「慎。やっぱ俺、お前と付き合えねぇわ」

「湊さんっ、どうしてっ！？」

「佐久間先生と付き合うことにしたから」

そんな…。

「俺のこと好きって言ってくれたじゃないですかっ」

「だってお前、ガキだし」

「俺が…ガキだからダメなんですか？」

「そうだよ。くそイケメンだけど、子供に興味ないの」

俺が子供だからダメなの？

湊さんを俺のものにできたと思ったのに。

離れないで。

「湊さん…っ」

こんなにも好きなのに。

こんなにも想ってるのに。

こんなにも、愛してるのに。

嫌だ。