優しさに包まれて… -北藤-

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〜太輔Ｓｉｄｅ〜

目を覚ますと…白い天井。

病院の嫌な臭い。

「たい！目覚めたのか？」

ひろの顔…。

手を伸ばして…頬に触れる。

「ちゃんと、年取ってる」

「どういう意味だよｗｗ今、先生呼ぶからな」

ひろがベッドサイドにあるナースコールを押した。

視界に入るわたも…。

「なんで、２人とも年取ってるの？ここどこ？」

「さっきから何言ってる？俺は何も変わってない」

ひろが言った。

変わってない？

それって…。

「…今、何年？」

「…２０２０年、９月１７日。俺の誕生日」

戻ってきたんだ…。

ここに、たいぴの居場所なんてない。

「車と接触したんだ。幸い、頭は打ってたけど脳には異常ないって。でも、一応念のために今日

は入院だって」

ひろに結婚相手だって女の人を紹介されて。

家を飛び出したんだ…。

もう…

過去にもここにも、たいぴの居場所なんてない。

どうして戻ってきちゃったの？

怖い。

ひろに嫌われたら…生きていけないのに。

「ごめんね…この１４年。無理してたいぴに付き合わせて…ひろはかっこいいから、女の人と結

婚する方が似合ってる」

心にも思ってない言葉がスラスラ出てくる。


ｷﾞｭｯ。


感じるぬくもり…。

たいぴは、ひろに抱きしめられてた。

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