添いカレ -北藤-

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すぐに眠ってしまった彼。


不眠症で眠れないっていうのは、本当だろうな。


目の下のクマを見れば物語っている。


はっきりとした奥二重。


ぷっくりとした触れたくなる唇。


５分の時間制限があるけど、守ったことはない苦笑


人によって添い寝しても10分以上眠りにつけない人もいるから。


今、腕の中にいる彼…藤ヶ谷太輔は、5分も経たずに眠ってしまった。


やっぱ、俺の腕の中って気持ちいいのか？


会う客にそう言われるから。


何もしてねぇぞ。


ただ、本当にこうして横になって抱きしめるだけ。


自分で自分の居心地の良さを体験できねぇしな。


名残惜しい。


いつもは確認すれば、メモを置いて家を出るんだけど。


彼…とは、離れたくない。


このまま、家に連れて帰りたいくらいだ。


♪♪〜〜♪♪


横尾さんからのメールだ。


仕事が終わったら連絡メールを入れるんだけど。


それが来なかったから、経過報告しろってこと。


起こさないように腕を引き抜いて、スマホでメール送信。


あれ、メールが来てる。


【 悪い、みつ。田上さんから一件、仕事依頼が入った。行けるか？ 横尾 】


ﾊｧ…。


運命の出会いをした後に仕事。


今の仕事をして3年。


運命の相手が、こんなところにいたなんて。


横尾さんに感謝だ。


そして、彼にも。


この出会いが運命だと、信じたい。


田上さんの家は、ここから遠くないけど…行かなきゃ。


リビングのテーブルにメモを残し、アパートを後にした。


鍵は、ポストに入れた。

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