LOVE BOX -北藤-

＊ ページ9

わざわざ、一人になりたいと思うこの昼休みの時間に。


お前を女子だと思って膝枕されて、ここで睡眠を摂ってるって？


「思ってない」


「……ぇ？」


「女子はスラックスパンツ穿いてねぇし」


「………ぇぇ？」


「俺は、お前が男だって分かったうえで、ここに寝に来てるけど？」


「…なっ……ぇっ、そうな、の？」


涙、止まったなｗｗ


「お前の膝枕も声も、歌声もすげぇ心地いいんだけど？」


「…き、聞いてたの！？(*ﾉωﾉ＊)」


「良い声してるよ」


もっと、腕を引き寄せて距離を詰める。


「…き、たやま」


「何」


「ち、近いっ」


「そうだな」


距離を取ろうとする藤ヶ谷を引き止める。


「ずっと膝枕してくれて、お礼言ってなかったな。サンキュ、藤ヶ谷」


「なん、で…名前…」


「２−Ｄの読書男子・藤ヶ谷 太輔」


「…えっと、俺…有名人、なの？」


「クラスが違っても、俺のとこまで名前が知れてるよｗｗ」


あ、俯いちまった。


顔が見えねぇじゃん。


顎クイして上を向かせる。


「これからも、俺に膝枕してくれ」


「…これからも、俺が膝枕していいの？」


「一緒に過ごすこの時間は、気が休まるから」


浮かべた笑顔が…可愛い。


「もっと、藤ヶ谷のことが知りたい。俺のことも教えるから、藤ヶ谷のことも教えて欲しい」


「北山…んんっ」


耳に触れると、えろい声を聴かせてくれる。


「もっと…甘い声聞かせろ」


うなじに手をかける。


「んんっ」


キスもしてないのに、何だ、その声。


「口開けろ」


引き寄せて…その魅惑的な唇に、Ｋｉｓｓをした。



勇気を出したら、『運命の恋』が始まった。

作者より→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す