LOVE BOX -北藤-

恋愛 ページ5

〜太輔Ｓｉｄｅ〜


ずっと片思いしてる人がいるんだ。


女子じゃなくて…男子なんだ。


今まで、恋愛したことなくて１７歳になった。


誕生して１７年目にして、初めて人を『好き』になった。


気になる人ができたの。


あれは…入学して少し経った時。


桜の木の下で風を浴びながら読んでいると。


こっちに来る足音。


と思ったら、隣に座って…。


ｺﾂﾝ。


俺の肩に寄りかかって寝るおちびさん。


可愛い♪


起こさないようにって肩に力を入れると、本の内容が入ってこない。


自然に手が伸びて…。


名前も知らないおちびさんの体を横にして、頭を太ももの上に乗せた。


肌プルプルだし、唇はピンクだし。


頬を突っついてみる。


柔らかい♪


唇を指でなぞってみる。


弾力がいい♪


風が吹いて、額に髪が乗った。


起こさないように、指で退かす。


「…ふふっ( *´艸｀)」


頭を動かされると、くすぐったいｗｗ


いつも、読書をしてると、おちびさんが来て、俺の肩に寄りかかって眠るの。


彼に膝枕をして、この胸が締め付けられるひと時。


起きる前に、いつも先に戻った。


彼はきっと、女子に膝枕されて、夢を見てると思うから。


現実は、男の俺が膝枕してるなんて知ったら…幻滅するでしょ？


気になってる人は、このおちびさんなんだ。


ネクタイの色が一緒だから、同級生だとは思うんだけど。


クラスは違う。


そして…いつも、彼の周りには人がたくさんいるの。


その中に入っていく度胸も、声をかける勇気もなくて。


おちびさんが、こうしてそばに来てくれるのを待ってる。


気持ちは伝えない。


遠くから見てるだけにする。


その代わり…この時間を奪わないで。


失いたくない。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す