LOVE BOX -北藤-

＊ ページ21

「今…なんて？」

「ん？だから、俺は太輔がいないと生きていけないんだよ」

「たくさん…ひろの周りに人がいるでしょ」

「いるけど…太輔は、この世に一人だけじゃん？太輔の代わりは、誰にもできないんだよ。愛したい

のも、そばにいたいのも、太輔だけなんだよ」

涙を拭いてくれる手が…温かい。

「渡したいものがあるんだ」

そう言って、ひろがポケットから出したもの。


ﾊﾟｶｯ。


中身を見せられて…嗚咽が止まらない。

「一生、俺のそばにいてください」

「…ひろっ…ぅ〜…っ、ぇっ、ぇ〜っ」

「結婚はできないけど、一緒に居る『証』があれば、太輔が笑ってくれると思って」

「…何、言って」

「太輔の笑顔、ずっと見てない」

「…それは、ひろだよ」

「太輔が笑ってないのに、俺が笑えるわけないだろ」

「……たいぴ、笑ってなかった？」

「うん」

指輪とひろを交互に見つめる。

「ペアリングにした。俺も、仕事に行く時は付けるから…太輔も付けてくれる？」

「………」

思考停止。

まさかのプロポーズ。

嫌われると思ったのに。

捨てられると思ったのに。

「今でも、これからの未来も、俺の心にいるのは太輔だけ」

「ひ、ろ…」

「返事は？」

「……ずっとっ、死ぬまで一緒…っ」

「ああｗｗ死ぬまで一緒だ。指輪も、嵌めていい？」

返事の代わりに、手を出した。

「…ピッタリ」

ライトに翳してみせる。

「綺麗…」

「ピンク好きだろ？」

「好き」

「キラキラしたの、好きだろ？」

「好き……ひろは、もっと好き」

ひろに視線を移して伝える。

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