みっくんのお嫁さん -北藤-

太輔が泣く…か。それは、困るな。 ページ41

嫁一筋と言いながらよそ見をしてしまった自分を責めるみつ。

みつ…お前といて本当、飽きないよ…(笑)。

「とにかく、前橋がいるから、教室には行くな」

「それは無理」

「なんで？」

「たいが泣く」

太輔が泣く…か。それは、困るな。

「じゃあ、玉に行かせる」

「玉？」

「喜んで飛んでくるだろ」

「まぁ…玉なら、たいも好きだし。玉も呼べば喜んで来るだろうけど…」

「じゃあ、決まり」

みつの前で携帯を取り出して連絡。

「あ、玉か？横尾だけど」

『ワッター、どうしたの〜？』

「次の休み時間、３−Ｂのクラスに行ってくれないか？」

『なんで〜？』

「太輔に会いに行ってほしい」

『ガヤに会える〜♪』

玉は２年だけど、ファンは３年生にもいるし。

本人も３年生の行き来することに抵抗はないようだ。

「太輔がイジメに遭ってないか、チェックしてほしい…できれば、授業が終わる毎時間の休みに…」

『いいよ〜』

「悪いな、玉。宮田と一緒にいたいだろ？」

『…宮田とはいつでも会えるしっ、大丈夫っ！ワッターの頼みだし、ガヤのこと見てればいい？』

「ああ。で、帰りに俺のクラスに来て話してほしい」

『了〜解』

玉と電話を切ってため息をつく。

「…泉くんにも、お願いしといたら？」

納得いかない顔のみつ。

自分がそばにいたいんだよな？会いに行きたいんだよな？

その願い、聞いてやりたいけど、あの悪女がいる限り…油断はできない。

「…泉、か」

「嫌いなの？」

「そうじゃないよ。泉は空手も強いし、センスあるし優しいし…それはいいんだけど」

「何？」

「たい…惚れないかな？」

どこまでも、嫁に弱いみつ。

「３−Ｂのクラスで信頼できるのは泉くんだけでしょ」

「…分かった。頼んでみる」

「じゃあ、太輔に伝えに行くか」

「…うん」

途端にションボリ肩を落とすみつ。

「会いに行くって約束したのに…たい、俺の事、嫌いにならないかな？」

「大丈夫だよ。俺がフォローするから」

「…うん」


みつの背中を押して、太輔の教室に向かった。

太輔もみつも、お互いの事しか見てない。考えてない。→←漢前だね、みつ。

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