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YOUside
『…お邪魔します』
ジョングクの家、初めてじゃないのにやっぱり緊張する。
JK「なんでそんな緊張すんの(笑)」
『だ、だって目に入るもの全部高級すぎて…』
JK「そう?」
…あぁ、お金持ちってなんか感覚が狂ってる。
玄関からリビングに着くまでも一軒家のような長い廊下があって、もはやこの廊下の面積が私の部屋と同じくらいなんじゃないかって。
そんな虚しいことを考えてたら、そっと後ろから腰に手を回される。
JK「…痩せた?」
『え?別にそんなことないけど、』
JK「ご飯食べてる?ちゃんとそこは自己管理しないと倒れちゃうよ。」
ジョングクはそう優しく言ってくれた。
だけど………そんなこと分かってる。
ほんとは最近、買収されるせいか仕事が大詰めになっていて残業続きだった。
だからご飯なんてろくに食べずに家に帰るとそのまま寝ちゃうし、お風呂も朝にバタバタと入っていたことがほとんどで。
そんなただの社畜の辛さが、社長のジョングクに分かるのか。
ご飯はちゃんと食べないと倒れちゃうなんて、そんなの自分が1番分かってる。分かってるけど精神的にもキツくて食べ物が思うように喉を通ってくれなかったんだ。
なのに…
気づけば、腰に回されたジョングクの手を思いっきり振り払っていた。
JK「え、…」
『私みたいなただの平社員の辛さなにも知らないくせにご飯は食べろなんて無駄な心配しないで。』
JK「あ、いや、そんなつもりは…」
『私だってちゃんと食べなきゃって思う。思うけど本当に本当に辛くて食べようにも食べられないの!社長のジョングクには分からないでしょ?』
私が感情に任せてそう言うと、ジョングクは唇を噛み締めて俯いた。
ダメだな私…
ジョングクが私を思って言ってくれたってことくらい分かってるのに。
もう、めんどくさい奴だって思われたに違いない。
JK「…ごめんね、」
弱々しく呟いたジョングクに、また申し訳ない気持ちが募っていく。
なんですぐに私も ごめん って、たった3文字が言えないんだろう。
この歳になって初めて、自分の変にプライドが高いとこに嫌気がさした。
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じぇむ。(プロフ) - アさん» 私もです(´ー`) (2020年12月6日 14時) (レス) id: 1f98f488e3 (このIDを非表示/違反報告)
じぇむ。(プロフ) - Yellow8938さん» えぇ、ありがとうございます!!Twitterの方も宜しくお願い致します! (2020年12月6日 14時) (レス) id: 1f98f488e3 (このIDを非表示/違反報告)
ア - 好きです。 (2020年12月6日 11時) (レス) id: c8605ddb04 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow8938(プロフ) - 朝早くからすみませんいつも楽しくお話拝見させて頂いてますTwitterフォローさせて頂きました宜しくお願いします (2020年12月6日 5時) (レス) id: 3fabd8bd69 (このIDを非表示/違反報告)
みさぴょん(プロフ) - すごい面白いです(;_;)早く続きが読みたい!! (2020年10月12日 22時) (レス) id: e02558259b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じぇむ | 作成日時:2020年10月9日 20時