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第2回 ページ3

「あれですか、生徒会執行部の誰にも助けられない憐れな生徒会長を笑いにでも来たんですか?」

はっ、と鼻で笑う。
ぴっ、と電気のような何かが頬を掠る。
心に刺さる、違う、という意味が込められた矢。
……超能力を持っていると、こういう感覚はよくある。
痛くないし、私にしか見えないから特にそれについて反応も返さない。

「違うのか、ごめんごめん。」

あははっ、と笑い飛ばす。
凍夜 海松(Tōya Miru)、生徒会執行部の生徒会長。
周りからは容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、愛想もよく、困った人を放っておかない正義感の持ち主。
なんて言われてる。
褒められるのは嬉しいけど、何処かに妬みがあるのも事実である。

「明日生徒総会あるでしょう?
昼休みにリハーサルするから13:00に第二体育館ステージ裏に集合ね。」

顔をしかめて嫌そうな顔をする轟。
仕方ない、仕方ない。
私の学校は生徒会執行部のメンバーは他の生徒からの推薦制。
更に先生の中で議会が行われ、通ればめでたく生徒会執行部になれる。
生徒会執行部になれば、生徒総会と言い、全校生徒、全先生の前で意思表示、目標を発表。
生徒会予算案や、昨年度の生徒会予算案と実行額との差の発表、主な活動や活動目標、反省点、改善点、次回の目標を発表する場。
一年に2回あり、1回目は、予算案の発表、今年度の主な活動目標、活動内容の発表。
そして、生徒会執行部から個人の目標や意思表示をする。
2回目は次の生徒会執行部のメンバー発表、新生徒会執行部のメンバーから意思表示、目標の発表。
更に昨年度の生徒会予算案と実行額を発表、実際に生徒会執行部で行った活動内容、目標の達成度、反省点、改善点、次回の目標の発表をする。
一言で言うならば、

「めんどくせぇな。」
「めんどくさいやつですね。」

声が被ったことに対して二人でくすくすと笑う。
ばたばたばた、と廊下を走る音が聞こえる。
ばんっ、ばたっ、という音が生徒会室に響いた。
ばんっ、という音は人がドアに勢い良く手をつけた音。
ばたっ、という音は力尽きて床に倒れた音。

「走って来なくても良かったのに。」
「いやいや、だって生徒会執行部会議あるじゃん!」

走りこんで来た生徒、奏ちゃん。

「…明後日だよ、生徒会執行部会議は。
明日は生徒総会があって、今日は何も無いよ。」
「うそっ!!!!」

後輩に楽器の持ち運び任せて来ちゃった!、と行って戻って行った。
忙しい子だなぁ。

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作者名:儺菜生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/85NatsuShi3/  
作成日時:2017年5月7日 18時

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