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第1回 ページ2

図鑑を見るのが好きだった。
綺麗な写真で見た三種類の動物が好きなった。
マルタタイガー、ホワイトタイガー、アハルテケ。

マルタタイガー、青色の毛皮と濃いグレーの縞模様を持つ虎で、南中国の虎の亜種だと言われている。
非常に珍しい動物。

ホワイトタイガー、ネパールやインドに生息するベンガルトラの白変種で、世界に250頭ほどしか生息していない、これまた珍しい動物。

アハルテケ、全身が金色に輝く馬で、世界一美しい馬と言われている。世界に3500頭しかいない珍しい動物。

この三匹に恐ろしくなるほど惚れた。
あまりにも綺麗だった。
神様の使いみたいだと思った。
この三匹にまずなれるように私は個性を夜に使って特訓をしていた。
まさか、そんなところに商人がいるなんて思いもしなかった。
初めてマルタタイガーになれた日の夜。
私は商人に足に麻酔銃を撃たれた。
目が覚めたのは病院の中で、親に酷く怒られた。
それでも特訓をやめない私を見兼ねて母親は_____…………

***

ぱたり、と私は日記を閉じた。
凝山中学3年、生徒会執行部生徒会長の私は自分の日記を丁寧に片付けた。
そして、生徒会室の日誌を取り出し書いていく。
………もちろん、念動力で。

「なぁ、あんたさ。」

扉の方から聞こえた声に顔を上げる。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、高身長で更に優しいときた。
なんて、騒がれている、生徒会執行部、生徒会会計の、

「何の用ですか?轟さん。」
「いや、毎日熱心にしてるから、気になって。」

久々に見た彼の顔は火傷の跡こそ目立つもの。
とても整っていた。

「……書記がしないので、仕方ありません。」

書記、私とそれなりに仲が良いであろう、音響 奏(Onkyō Kanade)。
この子もまた、容姿端麗、成績優秀、運動神経もよく、更に性格も良いというハイスペックの持ち主である。

「だろうな。」

奏は今頃、吹奏楽部部長で指揮者をやっている。
最近は遠くに行って本番と同じ会場で最終調整をやっているらしい。
かたん、とシャープペンが落ちた。
シャープペンを拾い、日誌を閉じた。

「そういえば轟さんは、部活はどうしたんですか?」
「あぁ、今日は休みだ。」

轟は、茶道部と弓道部を掛け持ちしていて、休みになるのは珍しい。
私は生徒会執行部の会長になった時点で部活は強制引退させられた。

「じゃあ、何で早く帰ってないんです?」

時刻は、午後6時30分。

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作者名:儺菜生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/85NatsuShi3/  
作成日時:2017年5月7日 18時

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