ゆうなぎ。の趣味が集まる短編集

＊ ページ8

「今年も夏がきたね」





「ほんとだ」






あれから数年たった






彼らがポルトパラディーゾに来ることはなく、






噂で彼らはまだ生きてるのかを知る






一応彼のいるバルボッサ海賊団？はまだあるらしい






ジュジュビエーヌの噂はよく聞くから今のとこ元気でやってるみたい。





けど、ホラウソーがまだ生きてるのか






それは分からない





私はいつものようにカフェで本を読みながら、ぼーっと海をながめる





「まだ好きなの？あの海賊のこと」






ここで働く友達は毎年のように聞いてくる






あなたが毎年のように海を眺める姿を見るのが辛いのって。





彼女は1度だけそう言ったことがあったな






「別に好きじゃないもん」






好きなんじゃない。気になるだけ。






「…そうよね。それじゃ、ごゆっくり」







彼女は店の奥に行ってしまった






自分でも分かっているのだ






彼らはポルトパラディーゾでお宝を見つけたってこと






つまり、彼らがここに戻ってくることはないということも。






彼らが出航する前の日、彼らは街の人や観光客にはお宝が何か教えてくれた





もちろん友達にも。






「結局私には教えてくれなかったけどね」






ラビットはたしか、教えようとしてくれてたけど







止められてたなぁ…







「ああ、みんなに会いたい」






あの夏が恋しい






みんなとの思い出






ジュジュビエーヌから毎年のようにファビアンの話をされたこと







ラビットやピットくんには海賊の話をたくさん聞いた








ローズ姉さんやジェームスリッチ三世には色々お世話になったなぁ…






それからホラウソー。






彼との思い出は、私の宝物







私はこの思い出から抜け出せない








まるで私だけがあの夏に取り残されているかのように






私は何も変われない







だけどそれも今年で最後






私は今年の夏でこの街から出る






ここからずっと遠い、海のない街







この街を出るのは本当は嫌だし、その街はあまりいい噂もない






でもこれでいい






私にはこれぐらいが丁度いいのだ






もう待つのは疲れた

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