ゆうなぎ。の趣味が集まる短編集

＊ ページ27

「ね、ねぇ。ピーター？///」






そこをどいてくれないかな…







彼はいわゆる壁ドンをしている







去年、ファビアンがやったよ〜なんて言っていたあれだ






聞いた時はふーん、なんて軽く流していたけど







「ピーターしか…見えない…///」







自分で言うのも恥ずかしいけど、近すぎる







ピーターは私に覆いかぶさるかのような体制で







ピーターが男の人だ、と改めて実感する






あいつ本物の妖精か？天然タラシなのか…






なんて考えもすぐに消える






ピーターは少し顔が赤いようにも見えるが






きっと自分の方が赤いだろう






「それでいいよ、A。






俺のこと、意識してなかったから部屋にも平気で入ってきたんでしょ？」






正直、なんて答えていいか分からない






もちろん、弟と思っていたわけではなかった






可愛い後輩？いや…






「……」







黙り込む私をみて、ピーターは真っ直ぐ目を見て、真剣な顔をしてこう言った







「弟…なんて思ってるみたいだけど







俺はずっとお前が好きだから







今は無理かもしれないけれど、絶対に好きにさせるから」






「ひゃい…//」






ピーターの瞳が私を捉えて離さない






「お前の隣は俺のだから。







いくらお前が誰かを好きになったとしても、







俺は海賊、なんだって奪ってやる。







それがお前だとしてもな。








死んでも、誰にも渡さねぇ







だから。」







そう言って彼は笑った







「覚悟しとけよ、未来のお嫁さん？笑」






そんな彼をかっこいいと思った







ピーターの顔が近づいてくる







とっさに私はギュッと目をつぶった






だけど、不思議と嫌だとは感じなかった

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す