ゆうなぎ。の趣味が集まる短編集

＊ ページ26

「へぇー…」




「聞いた割には興味無さそうね」





ピーターはそのまましばらく何かを考え込んでいた





私も椅子に座り、足をぶらぶらさせながら





ピーター何考えてんだろ、なんて思っていると





ある1つの答えが出てくる






「あ〜、さてはピーター。ポルト・パラディーゾの街の子で気になってる人でもいるんでしょ？」





あ〜、これだこれ。






「はぁ？！」





ピーターは予想外、という顔をして立ち上がる






そんなピーターを見て私は






「だって、ピーターはあの街で1番女の子に人気だよってコン教官が言ってたもん


それに、私もよく見かけるけどあの街には可愛い子しかいないし…」





と、軽い説明を付け加える







「嘘は言ってないよ？」







ホラウソーじゃないし…







ね、どうなの？と、興味津々に聞くと







「いや、いないから…」






と、歯切れの悪い返事が返ってきた





「それじゃあ、他に好きな人でも？」






まあ、これしかないだろ






ピーターの目を見ると






「まあ、それはいるよ。」







と、言ってすぐにそらされてしまった






「なるほどね…どんな子？笑」







何となく気になったので、尋ねる






するとピーターは何かに思い出すかのように笑ってこう言った






「明るくて、ばか。」






「何それ笑」






ピーターと顔を見合わせ、2人で笑ってしまった






だけど、本当に好きなんだな…







その子を思い出している時のピーターは、本当に嬉しそうで、幸せそうで







何より彼女を大切にしているのが、言わなくても伝わる







そんな彼を見て、私は胸がチクッと痛くなった








つらい、苦しい…なんて







どうしてそんなこと思うのか分からないけれど。






そんな気持ちを誤魔化すかのように






「わたしは応援してるよ？ピーターは後輩だけど、弟みたいなものだし…」





昨日言われた、兄弟という言葉を思い出し





とっさに思ってもないことを言ってしまう





すると、





「弟…？」





急にピーターは私の方にどんどん近づいてきた






とっさに立ち上がり、後ずさりをする





といっても2,3歩。





背中に壁があたり、しゃがみこむ





ドンッ





ピーターは私の顔の横に手を伸ばし






「ねぇ。弟って…」






状況を把握するのは簡単だった

＊→←＊（ピーターver.の続き）

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