恋は少し難しい (ページ5)

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実は漫画に描かれたドンヒョクとジュニの初めての出会いは決していいものでは無かった。

ジュニとAが昼休憩中に購買でいちごミルクを買って廊下を歩いていたらジュニに他の男子とじゃれていたドンヒョクがぶつかり、ジュニの持っていたいちごミルクが見事に自分のブレーザーにかかってしまうのだ。

ジュニは困ったようにAに助けを求め、確かドンヒョクは………

「A！」

ボーッと考え込んでいたら目の前に飛んできたボールが頭にコツンと当たった。キャッチボール中に変な考え事はするものではない。

ジュニは焦って急いでこちらに走ってきて「ごめん、頭痛くない？大丈夫？」と聞いた。

「うん、大丈夫。ごめんボーッとしてた」

「痛かったよね、、、保健室に行って冷やすものを……」

「いやいいよ、別に大したことじゃ」

「そんな事ないよちょっと赤くなってるしどうしよう」

今にも泣き出しそうなジュニを宥め私は1人で保健室に保冷剤を借りに行くことになった。別に特に問題は無かったのだがそう言わないとジュニは引き下がらない気がしたから。

一緒について行くというジュニを抑えて保健室まで歩いた。ついでにサボる事もできるし、いいけど………保健室ってどこ。始めてきたこの世界にまだ適応できていないので保健室にたどり着くまで軽く20分はかかった。

ガラガラと扉を開けると空席のデスク。保健室の先生がいないだなんてまるで漫画みたいだな、いや漫画なんだけど。そう思いながら名前の欄に自分の名前と組、番号を書いていると

「……A？」

閉められたカーテンの向こうから私を呼ぶ声がした。

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