恋は少し難しい (ページ13)

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「え？」

振り返るとピンク色の派手な髪色に染められた綺麗な美男子がそこにはいた。イジェノの上まできっちりとめたボタンとは違ってシャツのボタンは二つも空いているし、嘘くさい笑みを浮かべながらこちらに近づいてくる。こいつがナジェミン。確かにイケメンだ。私の推しのジェノには及ばないが。

「いや………ナジェミン？」

ジェノとジュニが結ばれる結末にするためにはナジェミンを遠ざける必要がある。私がナジェミンと仲良くなってしまうと私の作戦がパーになってしまう。

「…なに？」

私の態度に一瞬眉を顰めたがさすが" 王子様 "と呼ばれるだけある。すぐに軽やかな笑みに変わり、柔らかい口調でそう言った。

「名前、呼んだよね？俺に何か用でも」

「なんでもないよ」

「……そう？」

「うん」

できるだけ最小限の会話をしようとそう突き放したのに、ナジェミンは動く様子は見せなかった。何してるんだ、早く帰りなよそういうと

「Aは？」

「私？帰るけど」

「うん、じゃあ一緒に」

私と一緒に帰ろうとしているのか？あのナジェミンが？ジェミンは親しげに私の名前を呼んでいるけど私とジェミンはきっと初対面なはずだ。

「……なんで私と」

「だって隣じゃん」

「はい？」

「家、俺ら隣でしょ」

悲報、私の家はあのナジェミンの隣の家だったらしい。

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