�� ページ33
「ウィルは、どうしてわたしがアビスさんに歯向かうか知ってる？」
ウィリアムは小さく呟くソフィアに同情するようにブランケットをソフィアの肩に掛けると、首を振った。
「わたしね、わたし、アビスさんが嫌いなわけじゃないの。アビスさんはとっても優しい心をお持ちなの。でも、それをフールの方には見せることが出来ない。それがどうしても哀しくて…」
そう言って肩を震わすソフィアを励ますように、ウィリアムはソフィアの前に跪くと優しく手を握り、目を見つめて言った。
「ソフィが争う必要は無い。無理に、生徒会長様のことを、嫌いになる必要も無いんだよ。」
そんなウィリアムの言葉にソフィアは救いを求めるように言った。
「でも、みんながそれを望んでる！わたし、戦うしかないんだよ…！」
そう言うソフィアの手は震えており、小心者のソフィアがそんなこと出来るはずがなかった。
ウィリアムはそんなソフィアの手を強く握り、ハッキリとした声で言った。
「君は戦わなくていい。君が恐れるものは全て僕が排除しよう。君を誰かが攻撃するなら、僕が君を全力で守るよ。」
そんなウィリアムの言葉に、ソフィアは震えを止め、初めて顔をあげる。
「やっと、こっちを見てくれたね。」
ウィリアムが優しくふっと微笑むとソフィアは瞳に涙を浮かべ、ウィリアムに抱きつく。
「わたしは争いたくない…！誰も傷つけたくない…！お願いウィリアム…！わたしは平和に暮らしたいだけなの…っ！わたしを守って！」
そんなソフィアの言葉にウィリアムは優しく頭を撫でながら答えた。
「もちろん、それが僕の仕事だからね。」
──この先、誰がどんな嫌がらせをしようと、どんな攻撃を加えようと、僕がソフィアを守ろう。
ウィリアムはそんなことを思いながら腕の中で泣き続けるソフィアを宥める。
地獄のような日々からウィリアムを救ったのはソフィアであり、そこから自由と引き換えに裕福な暮らしを手に入れた。
生きてるか死んでるかわからない人生を送るより、ワガママなソフィアに仕え、社会的地位も与えられる人生のほうがいいに決まっている。
絶対的な善を持つソフィアがウィリアムは嫌いだ。
善は時に人を敵に回すからだ。
しかしソフィアがそれを求めるなら、ウィリアムもソフィアが正しいとするものを求めなければならない。
そして、ソフィアを守らなければならない。
それが、ウィリアムに与えられた使命で、それこそがウィリアムの存在意義なのだから。
fin
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春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - 雛月いず/りぃふさん» 勝手に書かせていただいております…。ありがとうございます！頑張ります…！ (2020年12月17日 10時) (
レス) id: 41aa1a2dce (このIDを非表示/違反報告)
雛月いず/りぃふ(プロフ) - わぁっ、ソフィアちゃんとクラウディアCPのお話ですね…！とても素敵で、この先どのような展開になるのかとても楽しみです！無理をなさらない程度に更新頑張ってください…！ (2020年12月17日 7時) (レス) id: 0b050cbadc (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - ミヤネコさん» 報告遅くなってすいません！少しだけですがファルくんお借りしました！もう少しファルくんとは絡んでいきたいです><読んでくれてありがとうございます！！！ (2020年12月6日 22時) (レス) id: 41aa1a2dce (このIDを非表示/違反報告)
ミヤネコ(プロフ) - ドミに続きファルまで…！出していただきありがとうございます！いい感じの狂いっぷりですね！ (2020年12月6日 8時) (レス) id: 81f9ac9815 (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - 山田中さん» ｯｽｰｰ！考えてみます！！ありがとうございます！！ (2020年12月3日 10時) (レス) id: 4abe4ade3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春瀬(ﾊﾙｾ) | 作成日時：2020年11月21日 21時
