笑顔をくれた人 ページ4
ソフィア・ハーゼがよく笑顔を見せるようになったのは、最近のことだとウィリアムは語る。
ソフィアは自分に自信がなく、毎日何かに怯えるように下を向いて生きていた。そんな時に彼女に出会ったらしい。
ドミニク・ベルベット。ローゼの6年生だ。
今日はそんな彼女との出会いを語ろう。
それはよく晴れた日だった。
ソフィアは基本的に授業が終わると教室を抜け出し、植物園、もしくは図書館、中庭、人気のないところを目指して小走りで駆け出す。
今日は天気もいいので裏庭の木陰が涼しく、静かであった。
持ってきていたレジャーシートを広げ、水筒から紅茶を注ぎ、自分だけの読書空間を作る。
さぁ、本の続きを読もう、そう本を広げた瞬間、耳に届くか届かないかぐらいの小さい鳴き声が聞こえた。
「……猫、の声。」
ソフィアでなければ気づかなかっただろう。機械音ともとれる猫のような鳴き声に誘われるようにソフィアは塀を辿り、側溝の隅まで辿り着く。
「……この奥からだ。」
耳を澄ませばか細く「ニャーン」という声が聞こえてくる。ソフィアは側溝の蓋を開けて迷わず顔を覗きこませる。
「いた！」
奥の方に子猫が3匹、身を寄せあって震えていた。
まるでひとを避けるように、側溝の奥に逃げている猫は、傷だらけで、弱りきっている。
「大丈夫だよ、おいで。」
ソフィアは汚れることなんて気にせず、手を奥へと伸ばす。
そしてその手が子猫の小さい手に触れた瞬間だった。
「そこで何をしている！」
背後から大きい声が聞こえ、子猫がさらに奥の方へ逃げていってしまった。
ソフィアは慌てて手を引っこめると、声がした方を振り返る。
健康的で、堂々とした表情の──まるで自分とは真逆な──女性が歩いてくるのが見えた。
「ここで、何をしていた。」
キリッとした表情で問う様子に、自分はなにか悪いことをしてしまったのではないかと錯覚し、言葉につまる。
「いえ、特に、なにも、してません。」
言葉を詰まらせながら、俯き、答える。
そんな様子のソフィアに追い討ちをかけるように彼女は大きな声で言う。
「何もしていないわけがないだろう！服が汚れている。そこの側溝を覗き込んでいたな？なにをしていた」
強く、責めるような声に涙が出てくるのを感じた。
ソフィアは震える声で小さく答えた。
「子猫が3匹、弱っていたから助けようとしました」
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春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - 雛月いず/りぃふさん» 勝手に書かせていただいております…。ありがとうございます！頑張ります…！ (2020年12月17日 10時) (
レス) id: 41aa1a2dce (このIDを非表示/違反報告)
雛月いず/りぃふ(プロフ) - わぁっ、ソフィアちゃんとクラウディアCPのお話ですね…！とても素敵で、この先どのような展開になるのかとても楽しみです！無理をなさらない程度に更新頑張ってください…！ (2020年12月17日 7時) (レス) id: 0b050cbadc (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - ミヤネコさん» 報告遅くなってすいません！少しだけですがファルくんお借りしました！もう少しファルくんとは絡んでいきたいです><読んでくれてありがとうございます！！！ (2020年12月6日 22時) (レス) id: 41aa1a2dce (このIDを非表示/違反報告)
ミヤネコ(プロフ) - ドミに続きファルまで…！出していただきありがとうございます！いい感じの狂いっぷりですね！ (2020年12月6日 8時) (レス) id: 81f9ac9815 (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - 山田中さん» ｯｽｰｰ！考えてみます！！ありがとうございます！！ (2020年12月3日 10時) (レス) id: 4abe4ade3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春瀬(ﾊﾙｾ) | 作成日時：2020年11月21日 21時
