芸術的センス ページ23
「……痛ぇ。」
前述した通り、ヴィンセントはウィリアムから暴力を受けたところであった。
普段のヴィンセントなら、暴力を受けそうだと感じたその瞬間に姿を消すのにもかかわらず、珍しく今日は意識が混沌とするまでウィリアムに殴られ続けた。
元はといえば、ヴィンセントが挑発的にウィリアムを怒らせなければいいだけの話であったが、普段は温厚で笑顔を貼り付けたまま表情を変えることがないウィリアムが、ソフィアのこととなり、表情をころころ変えることが、ヴィンセントには驚きで、興味を持てることであった。
「……ちょっと、遊びすぎたな。」
時は放課後であり、学園は静まり返り始めていた。
そんなヴィンセントはただひたすらにある場所を目指していた。
―――――――――
放課後、部活動に向かおうと廊下へ出たら、通りすがりにこんなことを聞いた。
「ねぇ知ってる？美術管理室の幽霊の話。」
「幽霊？そんな、もの信じてるの？」
「今すごい話題になってるの、知らない？美術管理室って、ほこりまみれで薄暗くて、普段は誰も入ることがないらしいの。」
「知ってるよ〜。美術管理室って、過去の美術部の作品とか、没になった絵とかが保存されてるだけだから、誰も入ることはないんでしょう？」
「詳しいね、そうなんだよ。鍵もしまってることのほうが多いし…。でも、最近見るんですって。」
「見るって……その、幽霊を？」
「そうなの！美術管理室に人影を見たから、確認しようと思って管理室に入るとひとの気配すらない、ただ静かに美術品が眠っているだけなんですって。」
「なにかの見間違えじゃないの？」
「そうじゃないんだって。そんなことが美術部員の間で何回もされているらしいのよ」
「ふぅん。ま、私は信じないけどね。」
そんなことを言って笑い声を上げる女子生徒。
エボル・フローディアは自分の部活である美術部へ向かいながら小さく笑みをこぼした。
―――幽霊、ね。
美術室の扉を開けると勢いよく美術部員がエボルを一斉に囲む。
「無理です！わたしこんな環境で絵なんて描けません！」
「僕、見ました、幽霊、扉の影から・・・！」
「さっきも音がしたんです！管理室からでした！」
「も、もう俺帰る！」
「エボルさんは生徒会所属でしょう！どうにかしてください！」
そんな無茶な、と思いながらもエボルは笑顔を崩さない。
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春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - 雛月いず/りぃふさん» 勝手に書かせていただいております…。ありがとうございます！頑張ります…！ (2020年12月17日 10時) (
レス) id: 41aa1a2dce (このIDを非表示/違反報告)
雛月いず/りぃふ(プロフ) - わぁっ、ソフィアちゃんとクラウディアCPのお話ですね…！とても素敵で、この先どのような展開になるのかとても楽しみです！無理をなさらない程度に更新頑張ってください…！ (2020年12月17日 7時) (レス) id: 0b050cbadc (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - ミヤネコさん» 報告遅くなってすいません！少しだけですがファルくんお借りしました！もう少しファルくんとは絡んでいきたいです><読んでくれてありがとうございます！！！ (2020年12月6日 22時) (レス) id: 41aa1a2dce (このIDを非表示/違反報告)
ミヤネコ(プロフ) - ドミに続きファルまで…！出していただきありがとうございます！いい感じの狂いっぷりですね！ (2020年12月6日 8時) (レス) id: 81f9ac9815 (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(ﾊﾙｾ)(プロフ) - 山田中さん» ｯｽｰｰ！考えてみます！！ありがとうございます！！ (2020年12月3日 10時) (レス) id: 4abe4ade3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春瀬(ﾊﾙｾ) | 作成日時：2020年11月21日 21時
