51話。 ページ6
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「最近、雨続きですねぇ……」
「そうだねぇ……」
椋くんとどんよりしている空を見ていた。
学生組は大雨と暴風警報によってお休み。
至さんは泣く泣く出社した。本当におつです。
今日は平日なのに、学生組がいるせいかにぎやか極まりない。おめでとう学生。
「よいしょ……」
支配人さんが大量の洗濯物を入れたかごを持って来ては、よろよろしていた。
「手伝いますよ」
「あ、すみません!
ありがとうございます!」
支配人さんの、年上なのに謙虚で下から なところ本当に尊敬するし、すごいと思う。
「これって洗濯済んだやつですか?」
「あ、はい、そうです。この天気ですから溜まりに溜まっちゃって。全部一気に畳もうと思って」
「私がやっておきますよ」
「本当ですか?!ではお願いします!」
置いていかれたかご、4つ分。
春組、夏組、秋組、冬組、というふうにマスキングテープで貼られているから各々の服が別れているのだろう。
よし、汚名返上だ。私が料理も裁縫もできないって思われている分、洗濯物を畳むくらいのことはしてやる。
談話室でゲームをしたり、テレビを観たり、いろいろしている彼らを見て、『まぁ、未成年の内は大人にしてもらっておきなさい』という上から目線なことを思った。
畳むにつれて、問題点が浮上する。
この下着誰のだ問題。
ネーミングセンスは問わないでもらう。皆、名前を書かないから誰のだかワケが分からない。
でも、椋くんとか咲也くんは偉い。裏に小さく書いてある。左京さんもマメだ。
きっと、小さな頃に学んだ、
“自分の物には名前を書きましょう”の指導を胸に留めているのだろう。偉い。
今度、彼らにはケーキを奢ろう。
すると、椋くんが気づいて近寄ってくれた。
「わ!Aさん……!
すみません!畳ませちゃって……!
あ。し、し、ししし下着……!!」
「……あ」
考えてみれば、彼らはまだ思春期だ。
こういうのを煙たがるお年頃だろう。
「ごめんね……。
よく考えればデリケートなお年頃だったね」
そうは言いつつも畳む手を止めない私。
「ぼ、ボクもお手伝いしますよ……!でも、Aさんは女の人なので、下着じゃないの、畳んでてください……!」
「え。私は気にしないから、手に取ったの畳んでいくよ」
少し後悔した。ここで恥じらっていれば女の子要素を少しは残せたのに、と。
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はゆー(プロフ) - そーちさん» あっあっ、ありがとうございます…!私には勿体無いお言葉です…!更新、お待たせしてしまい申し訳ございません…!皆無な脳みそひねってネタ出しして、がんばりますね! (2018年1月9日 17時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
そーち - とても面白いです。続き楽しみに待ってます。更新頑張ってください! (2018年1月9日 11時) (レス) id: 7dbd32ccfb (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - まゆさん» ですよね!!ユニットソング各組しんどすぎて、それぞれ違った発狂になりますよね!(笑) (2017年11月29日 16時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - 月美さん» わー…!!そのお気持ち、よく分かります…!!どの組も良いですよね!(*´`) (2017年11月29日 16時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - どの組もそれぞれの発狂する点があるから選びたくないですね! (2017年11月27日 19時) (レス) id: dd4c972d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆー | 作成日時:2017年10月7日 7時