不 幸 少 女 ２【A3!】

80話。 ページ40

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「見てこれ」

「あっっっお」




“青い” と。

私が話を持ち寄ったのは、幸くん。



「あのお小言がないと私はもう生きていけない」というくらいに幸くんのお口の悪さに心地良さを覚えていた。

それを本人に言ったら案の定、「気持ち悪い」と言われた。ショック。





「何してたらそうなったのそれ」


なんだかんだ、話を聞いてくれる幸くんは天使のごとく優しい。少々の口の悪さはよく効いたスパイスだ。



「バレーして遊んでたらそのバレーボールが凶器だったらしくて、内出血を起こしました」


「バカじゃないの」



お決まりの台詞が出たところで、私の運動音痴がバレてしまった。

運動神経抜群ならこんなヘマはしない。




「なになに、どったのー？」


「見てこれ」



「あっお！！
Aちゃん、ぶるーみんぐじゃん！！」




それ意味違う。

幸くんがツッコミを入れたところで、恐らく一成くんは青くなった幹部の“blueing”と、“blooming”を掛けたのだろう。



だから多分、ぶるーいんぐ では。

どっちにしろ、分かりにくいけれど。




「いつもの不幸で処理していいの？」

「はい、大丈夫です」



湿布を貼ってくれる彼は、さながらマネージャーのようだ。嬉しい私である。




「ちょ！
世話係が世話されてるってどゆこと！」


「まじ卍(まんじ)だね」



「まんじ！！」

「言ってる場合か」



最近習った若者語を使ってみたが、使いどころが違ったらしい。

近頃の若者は私からすれば異国住人だ。わけわかめ。





「ほら、大人しくそこに直れ」

「幸様」



いつでもどこでも幸くんは強い。







「何してんだお前ら」


同時に談話室に入ってきた天馬くんと椋くんはこの光景に「こんわく」を覚えただろう。




「シュールですね……」


「見慣れてもいいんだよ」




「そこまでオレに手をわずらわせるな」


口では言えないから心の中で何度でも言う。

っょぃ。




湿布の仮止めに白いテープを貼ってくれるところに、三角くんが揃った。

夏組なかよし。キズナ永遠。



「オレがAに貼ってあげる！」

「ありがとう」



んしょ、んしょ、とガーゼテープを引っ張り出す彼は天使だ。



「A、目、つぶってて！」

「？ はい」


なんだか変な予感がする。




「はい！目、あけていいよ〜！」


そこに見られたのは綺麗な三角形に貼られたガーゼテープ。



「これは……」



「さんか〜く！！」


「言ってる場合か！」

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