73話。 ページ33
・
「A。
メリー・クルシメマス」
「至さん。すみませんが、もうクリスマスとっくに終わった上に、とっくに年を越しました」
「巻きで行事を楽しもうって魂胆らしいよ」
「なんてメタメタしい……」
新年。彼らに初めて会った私に「あけましておめでとう」ではなく「メリー・クリスマス」と言った至さん。
さらには、「クリスマス」と言ったのではなく「苦しめ」と言った。控えめに言って処したい。
「Aさんは元日だけお家の方に帰られたんですよね?」
「うん。2日には寮に帰ってきたよ」
「凄まじい寮愛だよね、そんなに好きなの」
「幸くんも椋くんもご家族さんが優しいから長居できるんだよ……」
私に関しては、お母さんの″お年玉やったわよさぁ帰りなさい″オーラが凄まじかった。
いや、つらすぎる。
お父さんに至っては、無。
娘はとっくの昔に反抗期終わってますよー?!お父さんがちょっとだけ嫌いだった時期は過去の話ですよー?!という塩梅。
「ふぅん。Aも人並みに女の子だったんだ」
「それは過去の話じゃないよ?!」
「そうだったけ。オレより可愛かったなら実感が湧くはずなんだけど」
「……ごめんなさい」
新年早々からこんな毒舌あるの?
ともかく、通常運転で安心した。
「でも、Aさんが早く帰ってきてくださって嬉しかったですよ!」
慌てたように咲也くんが正してくれる。
彼は変わらず天使だ。
今年も彼が純度100%のままで居られますように。
「おせちは大丈夫だったか?」
「うん!家に帰ってもいつも通りのご飯しか出てこなかったから嬉しかったよ。ごちそうさま」
「そうか、たくさん作って行って良かったよ」
「臣くん、優しいね。ありがとう」
紳士すぎる料理男子だ。おせちなんて私の母親も作ることを疎がって、なかなか作ってくれないのに。
すると臣くんは思い出したように言った。
「あぁそうだ、A。
今年もよろしくな」
彼らと私に今年が存在する。
それは彼らの態度から当たり前っぽく感じられたけど、不意にどうしようもなく嬉しくなった。
口角が自然と上がる。
今は、これ以上口角が上がらないくらいに頬が上がって、満面の笑みと称してしまっても可笑しくないくらいの顔だろう。
そんな顔で私も言った。
「……うん!よろしくね!」
830人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はゆー(プロフ) - そーちさん» あっあっ、ありがとうございます…!私には勿体無いお言葉です…!更新、お待たせしてしまい申し訳ございません…!皆無な脳みそひねってネタ出しして、がんばりますね! (2018年1月9日 17時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
そーち - とても面白いです。続き楽しみに待ってます。更新頑張ってください! (2018年1月9日 11時) (レス) id: 7dbd32ccfb (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - まゆさん» ですよね!!ユニットソング各組しんどすぎて、それぞれ違った発狂になりますよね!(笑) (2017年11月29日 16時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - 月美さん» わー…!!そのお気持ち、よく分かります…!!どの組も良いですよね!(*´`) (2017年11月29日 16時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - どの組もそれぞれの発狂する点があるから選びたくないですね! (2017年11月27日 19時) (レス) id: dd4c972d72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はゆー | 作成日時:2017年10月7日 7時