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「で、Aちゃん。冬組のユニットソング、どんな風に思ったか聞かせてもらってもいい?」




紬さんが聞いた。


下から目線で言ってくれる。

私を持ち上げて、失礼のないように。
こんなの言わざるを得ないではないか。




O高組。

この表現は“謙譲”(もしくは、“謙譲語”)って言うんだよ。社会に出るとき必要だから覚えておこうね。





頭の中で彼らには届かぬレクチャーをしたあと、紬さんの問いかけに意識を戻す。


「冬組……そうですね」




少し考えた素振りを見せてみる。自分の持つボキャブラリーが今だけすごく憎らしい。

今だけ、誉さんになりたい。



「全体的に、大人っぽくて、おとなしくて、繊細で冬らしいテーマソングでしたよ」


「ふふ、ありがとう」



途中から何を言ったか分からなくなったが、東さんもこう言ってくれたことだし良しとする。





「Aくん、感想はもう少し具象的にお願いするよ」


「ぐ、ぐしょ……?
抽象的過ぎましたか……?」


「あぁ……。もっと、分かりやすく頼むよ」




やはり、天才には伝わらないらしい。

かと言っても、さっきの感想が私なり最大限の感想だ。




「そうですね……冬組ソングを分かりやすく説明するなら、寒空、雲ひとつない透き通っている夜空の中、星がキラキラと所々で瞬いているんですけど、途中からしんしんと白い綺麗な雪が少しずつゆっくり降ってくる……そんな感じです」



もう何が何だか分からない。
何を言ったか余計に分からなくなった。



「なるほど!
俄然分かりやすくなったよ!」

「そりゃ良かったです……」




もう出尽くした。

こんな意味不明な説明で納得できるだなんて、やはり天才は分からない。





「A……、詩人、向いてるかもね」


密さんが言った。
今日は珍しく起きていたようで。



「確かに。有栖川のより分かりやすい感じがしたな。やっぱり、凡人だからか」

「なんてこと言うんですか……」



丞さんは相変わらずひどい。
もう、精神的に疲れた。





「お疲れ様、Aちゃん。感想ありがとね」



紅茶でも淹れようか、なんて言ってくれる。




「紬さぁん……」


形容しがたいが、言おう。天使である。

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はゆー(プロフ) - そーちさん» あっあっ、ありがとうございます…!私には勿体無いお言葉です…!更新、お待たせしてしまい申し訳ございません…!皆無な脳みそひねってネタ出しして、がんばりますね! (2018年1月9日 17時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
そーち - とても面白いです。続き楽しみに待ってます。更新頑張ってください! (2018年1月9日 11時) (レス) id: 7dbd32ccfb (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - まゆさん» ですよね!!ユニットソング各組しんどすぎて、それぞれ違った発狂になりますよね!(笑) (2017年11月29日 16時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - 月美さん» わー…!!そのお気持ち、よく分かります…!!どの組も良いですよね!(*´`) (2017年11月29日 16時) (レス) id: e0dbe52e99 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - どの組もそれぞれの発狂する点があるから選びたくないですね! (2017年11月27日 19時) (レス) id: dd4c972d72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はゆー | 作成日時:2017年10月7日 7時

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