不 幸 少 女 ４【A3!】

145話。 ページ10

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「“当たり前しりとり”やってみない？」


連休にて暇だと言う高3生と中3生以外の学生組を召喚。

召喚っていうより、談話室でナマコみたいにだら〜としていたので私がパンッと手を一度叩くとびっくりしていた。

堕落がすぎるので、堕落論ですね。



「当たり前しりとりっすか？！
なにそれ、おもしろそ〜！！」

「げ……本気？」


九門くんって本当にいいコだね。
ノンノン幸くん、落ち着きたまへッッ。

と、テンションが爆発多発しながら。


「当たり前しりとりって初めて聞きました！
どんなしりとりなんですか……？」

「発案:私、決定権:私、
つまり私がルールブックのしりとりのことだよ〜」


「クソじゃん……」



幸くんがそんな言葉を使っちゃいけません！
って軽くいなせば睨まれた。

たぶん、この状況のことを蛇に睨まれた蛙っていうんです。
またひとつ賢くなったよ、ありがとう幸くん。



「っていうのは冗談で、当たり前のことをしりとりで言っていこうっていうオリジナルゲームです」

「無理ゲーじゃない？企画倒れじゃん」


「始める前からあきらめないで！？」


幸くんの毒舌は以前と変わらず辛口で、若者が言う“つらいむ”とはこのことか。



「ぼ、ボク、やってみたいです……！」

「あっ、オレもオレも！」

「んー、まぁ……。
オレも暇だしやってあげてもいーけど」



優しい言葉に感激した反面、私は年下の可愛い男の子たちに無理を強いたのかもしれないと思うとなんだか大人げない気もした。

が、気にすると幸くんが『ネガうざいからやめて』と言い出しかねないのでやめておく。




「じゃあ、私からいくね！
しりと“り”……！

“リ”アルから目を背けた“い”！」


決まった……！
そう思って、次の人を見れば、


「……“当たり前”って何？」

と言われてしまった。


現実逃避って素晴らしい四字熟語だと思うのは私だけだったの？

否！


「ルールその1！私がルールブックなので、私の言葉を無効とはしない！」


“当たり前”とはある意味、その人にとってのルールブック。


つまり、この当たり前しりとりは、“ん”が付いたら負けだという一般のしりとりと何ら変わらない。

普通のしりとりに、“あなたの我がルールをお聞かせください”っていう縛りを加えただけだ。


どこかで「うざ」と聞こえたが聴こえないフリをしておく。



「“い”、か……。

“い”つまで経ってもオレは可愛“い”」


「当たり前だ〜！？」



何だかんだ言いつつ、
ノリノリな幸くんがいるので可愛い。

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