不 幸 少 女 ４【A3!】

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「あれ、タイチじゃん。オミも。

その女は？」


「はじめまして。Aっていいます」


特徴的な耳から、フェネックだとわかる。
にしても美人だな！！！


「ふーん」

「ユキちゃんはすっごくセンスあるんスよ！
よかったら服選んでもらう？」


「ちょっとタイチ。
そいつに訊く前にオレにもアポ取れ」


ごめんッス……って言ってるわりにニコニコしてる。仲良しかぁ〜〜。




「ま、ちょーどいいか。荷物持ちが増えたし」

ユキちゃんさんの持つカゴの中にはたんまり服が詰まっていた。


「ひぇ……そんなに買うの？」

「買うけど着ない。オレが自分で作る分の参考にする」

「自分で作るの？！」

「まぁね」


確かにカゴに入ってる分の衣服は、サイズも違うし充てた動物も違う。


「んで、Aだっけ？
Aは見たとこヒツジか」

「アッはい正解です」

「ふーん。喰えるわけだ」

「く、喰わないでいただけると光栄です」

「冗談に決まってるでしょ。体に悪そう」

「ひど！」


確かにフェネックは雑食性だ。
あまり動物は食べない印象だったが。

不幸体質で、今まで何かと怖い人に絡まれてきた私。
よく聞いたセリフNo.1が「ジンギスカンにしてやろうか」だった。いや、誰向けの情報だ。



「こんなのが似合うんじゃない？」

「さすがユキだな」

「うん！すごいッス！」


言葉が出ない。
こんな合わせ方私はしたことがなかった。

「へげぇ……すごいね……」

「まぁね」


自分に自信のある子すきだなぁ。



・

自分の分は自分で購入して、早速身につける。
自分じゃないみたいだ。

荷物持ちを兼ねているのでユキちゃんさんが仲間に加わった。


「あっ、ここのカフェのあんみつパフェが美味しいからオススメ！」

「へぇ、ジュウザ知ってるかな？」

「カズくんとか知ってそう！こういう所を知ってるとデートとかに良さげッスね！」

「へぇ、タイチいつ彼女できるの」

「ウッ……それはわからないけど……」



わかった、ユキちゃんさんは毒タイプだ。



「オミさんにタイチか……？」

「あ！ユキもいるじゃん！」


「……クモンか」

「おぉ、ジュウザ。このカフェ知ってたか」


「うっす。カズナリさんに教えてもらって……」




噂のジュウザくんと、クモンくんというらしい。


ジュウザくんの母性押される感じやばい。
いや、爪も鋭くて男らしいのだが。

という目で見てたらクモンくんに静かにサムズアップされた。


結果、仲良くなった。

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