不 幸 少 女 ４【A3!】

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四季の国にて独りでウロウロしてると、見た事のある背中をこの目に捉えた。


「オミくん！」

「おぉ、Aか。ひさしぶりだな」


結構遠くから発声したものの、オミくんの大きなお耳が私の声を捉えてくれた。ゾウなので身体も大きい。

オミくんは、1度、秋の国にお邪魔したときに迷子になった私を助けてくれた。ので顔見知りである。


「何してるの？」

「買い物だよ。四季の国にはいろいろ売ってるし、秋の国に買って帰ろうと思ってな」


「Aちゃん！ひさしぶりッス！」

「タイチくんも一緒だったの」



タイチくんも同様。

迷子になった私を助けてくれた恩人だ。


その時にバンリくんに、「迷える子羊を再現すんなよ」って爆笑された。あれは未だに許してない。




「モテグッズが売ってるかも！って思って、オミくんについてきたんだ〜！」

「んー。ブレない」


ゾウのオミくんと、カピバラのタイチくん。
ちぐはぐかと思いきや、ふたりとも穏やかで優しくて仲良し。


「Aちゃんは？今からどこか行くの？」

「イヅミちゃんに誘われて夜にカレーを食べに行くつもり。それまでは暇だから散歩しようと思って」

「そっか！
じゃあ俺っち達についてこない？」


「え、いいの？」

「もちろんだよ」


優しいなぁ。買い物すると言っているし、私のオススメを教えてあげられればと思って着いていくことにした。





「オミくんは何がほしいの？」

「んー欲しいものは今のとこ思いついてないな……。だがジュウザのために甘味の材料を買おうかと思って」

「ジュウザ……？」


「ああ！秋の国のナマケモノの男の子ッスよ！」


そのあとタイチくんは「男の子っていうのも違うな……」と言った。



「あぁ！アニマルショーに出てた子？」

「おぉ、大正解」


「あとは、カズくんが出てたッスね！」

「……キリンの？」

「そうッス！」


リーダーと云われる彼らとは、イヅミちゃん伝てに仲良くなった。が、周りの子たちの噂を聞くばかりで実際お目見えしたことはない。




「あ、衣服ならここが人気あるよ。偏りが無くていろんな動物に対応してくれてるし、サイズもたくさんあるの。値段も比較的安価だしオシャレだし！」

「うーん、混んでるなぁ」

「あはは……ここはいつ来ても混んでるよ」



「あれ？ユキちゃん？」

「“ユキちゃん”？タイチくんの彼女？」

「あ、いや！違うッスけど……！」


ユキちゃん、と指されたほうにはお耳の大きな女の子みたいな男の子(？)がいた。

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