不 幸 少 女 ４【A3!】

番外編※ ページ31

※Animalイベストネタバレ注意
未読了の方はブラウザバック推奨です。

とてつもなく長いです。

※支配人=イヅミちゃんのことです。

お名前をカタカナにしていただけると馴染みます。
＿＿＿

・



誰もが半獣化して人間など皆無の世界。


四季の国と4つの国では演劇が栄えており、私は四季の国で彼女に出会った。



「Aちゃん！」

「イヅミちゃん！おはよう！」


始めこそ、出会ってすぐに「捕食される……！」と思ってしまった。

なぜかって？
彼女が百獣の王であるライオンだからだ。

そんな中、私は非力な存在。



「お。Aじゃん」

「ひぇ……バンリくん……」


私が捕食されると思った対象その2である。


「今日もフッワフワだな」

「また2人して触る！くすぐったいですが」


「この羊毛はAちゃんの取り柄だよ」


踏んだり蹴ったりである。

その通り、私はヒツジ。先祖が家畜として飼われていた名残から尻尾は通常より長め。雌なので角は持っていないが、代わりに頭に生えたお耳の側にフッワフワの羊毛を持つ。

え？弱いって？？
そう言ったヤツらには、ほっとけと思ってる。


……うそです。
喰われないように大人しくする毎日です。



「支配人にAさん！バンリくんも！」

「サクヤくんだぁ……」


こうなってはサクヤくんに助けを求める。
大天使サクヤエルの登場である。


「今日もクルミ取ってきたんです。Aさんにプレゼントと思って」

「大天使……」


バンリくんとイヅミちゃんは肉食なのでクルミだけではお腹は満たされないらしい。

バンリくん曰く、イヅミちゃんにはカレー与えておけばいいらしいけど。



「あ、支配人たち」

「よう」


「ツムギさんとテンマくんってことは、今日はリーダー会議ですか？」

「うん、そうだよ〜」


そうか、リーダー会議とは大事な会合だ。

この間行われた4年に1度のアニマルショーを終えたあと、皆がみな以前よりもっと仲良くなった。

微笑ましいの一択であるし、何より四季の国が賑やかになった。


それもひとえに彼女たちのおかげである。




今は10時。リーダー会議の邪魔をしてはいけない。
四季の国を周ろうかな。


「じゃあ私はここで」

「あっ、Aちゃん！夜ご飯の時間に落ち合ってカレー食べにいかない？」

「エ……？昨日も付き合ったじゃん……」

「今日はチカゲさんも来るよ！」

「どうしてかチカゲさん、私にはいじわるなんだよなぁ……。まぁ、他でもないイヅミちゃんの誘いだし行く」


「ちょろ……」


聞こえたよテンマくん。

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