歌い手なんてならなきゃよかった

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奏多side









一階から持って来た体温計を握りしめる


熱があるなんて知らなかった


今だから言うけどAのことは自分が1番わかっている気がしてた


それぐらいずっと一緒にいたから


普通の家にしては長い階段を登り終え部屋に向かう









……まだ起きてないか


少しだけ顔が赤い


大丈夫かな……と、一応心配の言葉はかける


いや、本当に心配してるけどね


ただ、それ以上に凄いことがありまして









Aが俺のベットで寝てる‼


てか、寝顔クソ可愛い！


起きる前に写メっとこ。でもって、後でからかおう


うん。


皆さん今引いてますよね


でも、聞いてください


これが健全な二十代男性の心です((キリッ


そんな欲望？的な感情を押し殺す









「ちょっとごめん」


そっと体温計を当てた









ピピッ


短い電子音が鳴る


うわ


画面には39.5と表示されている



「……熱あるな」



もしかしてインフルか？


でも、この時期にそれはないか









もう一度Aの顔を伺う


……ん？


今、一瞬目が動いてなかった？


まさか起きてるとか？


……まさかな









いや、見間違いじゃなかった


確実にこいつ起きてるわ


よし。意地悪でもしますかね









「……ごめん」


少し顔を近づけ、耳元で囁いてみる


案の定ビクッとなるA


やば。おもろw









てか、可愛いよな


こうして近くから見ると更に可愛い


まつげも長く、色も白い


これ完全に男にモテてんだろ


告白とかされてんのかな


イケメンと付き合ったこともあるんだろうな


そう考えるとなんかムカついた


そして









気づけばキスしてた

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