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フワフワと、地面に脚がつかない。

この感覚に、酷く覚えがあった。



◇◆◇



「Aがご飯を作ってくれるなんてお母さん、楽しみだわぁ」

「包丁で手は切ってないか?怪我しなかったか?」

母と、父が目の前に並べられた料理を見て私に微笑みかける。

『うん!平気!それより、早く食べて?頑張って作ったの』

穏やかな母、少し心配症な父、明るく近所でも評判の良いいい子であった私の3人家族は周りが羨む過程であった。


ただ、私は生まれた時から他の子供たちとは少し違った。
人の気持ちが理解出来なかった。

何故隣の男の子は女の子に玩具を取られて泣いているのか、何故ただ走っているだけなのにそんなに楽しそうに出来るのか。

私の周りの同世代達に、私は疑問しか生まれたことがない。

異質な私は浮くので、態とドジを踏んだり笑顔を絶やさず先生の言うこともキチンと守るいい子を演じた。

その方が、世間の目は優しく行きやすかったからだ。



「美味しい!Aは、まだ9歳なのに料理出来るなんて偉いわぁ」

「料理上手な所はきっと、母さんににたんだね」


美味しそうに頬張る両親に私はニコニコと嬉しそうに装って笑った。



ーーー数日後。


私は孤児院にいた。

両親が死んだからである。
原因は母親による一家心中事件だ。



孤児院でも、私は前と変わらずいい子を演じた。


そんなある日、1人の医者が私を訪ねてきた。


「やあ、初めまして私は森鴎外。

君の手口は素晴らしいね、私でなければきっとただの無理心中だと勘違いをしていただろう」


『何のことですか?』


「君だろう?

両親を見事毒で殺したのは」


ストン、と表情が抜け落ちる。
何処でバレたんだろう。私の計算は完璧だったはずなのに。


「ああ、勘違いしないで欲しい。私は、君を責める気はない。それどころか、賞賛したい気持ちだよ」


『どうして分かったの?』


「君は1つ小さなミスを犯してしまった。…本当に小さな、普通では見つける事のできないものだ。

何故ミスを犯してしまったのか、簡単だよ。君の知識が足りなかったからだ」


優しげに細められた瞳が此方を見て、頭を人撫でされる。


「私と共に来なさい。君は、ここにいる人間じゃない」



私は、森先生に引き取られた。

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(プロフ) - 更新されるの楽しみに待っています! (2021年6月11日 12時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
琥珀恋歌(プロフ) - ずーっと繰り返して読んでいます!とても面白いです!もう更新はされないのでしょうか?更新されることを願っています! (2021年4月18日 0時) (レス) id: 7cd883aad7 (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - これまでの夢小説とは一味違っていてとても面白いです。もう更新はされないのでしょうか? (2020年3月25日 9時) (レス) id: cd3e9475c4 (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 螺旋さん» 楽しんでもらえて嬉しいです〜(^^)布教も兼ねての作品なのでこういう作品が増えてくれると最高です推し最強説よ流れろ〜〜 (2019年10月19日 15時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
螺旋 - 読んでてめっさ楽しいです!!自分も夢主と似たような感じなので(笑)こういう夢小説が少ないので嬉しいです!増えろぉぉお!! (2019年10月9日 23時) (レス) id: db579f6a09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年10月5日 12時

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