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私はとある特権がある。
それは、首領に"もしも"の時があった場合の組織の指揮権だ。
幼少より首領には何度も言い聞かされてきた組織の存続。それを第一に考え、場合によっては首領自身を切り落すようにと教えられてきた。
「…A、どうするつもりじゃ?鴎外殿が原因不明の毒によって意識不明の今、
「首領をやった敵を教えて下さい。俺がすぐ潰します…首領を治す方法も吐かせます」
集められた2人の幹部に、私は冷静に状況を整理する。
2人が集まるまで部下に用意させた異能力リストを見て、1人気になる人物が出てきた。
『首領に盛られた毒は普通のものではありません。異能力ウイルスと判断しました』
フョードル…死の家の鼠の構成員であるアレキサンドル・プシュキンだと判断した。
『異能力ウイルス【共喰い】は48時間の時間をかけて極小型の微生物が成長し感染者の身体を食い破る異能です』
その言葉に、中原君が動揺を表す。紅葉幹部も苦虫を噛み潰したように顔を歪めた。
『前提として、この異能は2人の人物に掛けられている…探偵社社長と、首領の2人です
48時間以内にそのどちらかが死亡すれば異能は解除されます』
自身の手を煩わせず簡単に2抗争の構図が出来上がった。
「クソっ!!二日だと…!?」
「武装探偵社とポートマフィアを潰し合わせる奸計か」
「姐さん、Aさん…」
「探偵社とやる気かえ?」
『敵の思う壺ですが、手っ取り早いのは武装探偵社社長を殺す事なのは事実です
紅葉幹部を除く主力部隊で福沢諭吉が治療を受ける病棟に向かってください』
少なすぎる手掛かりの中ドストエフスキーに勘づかれないようプシュキンを捉えるのは限りなく不可能に近い。
時間は刻一刻と迫っているのだ。
「わかりました、直ぐ用意します」
中原君が急ぎ部屋を退室した。
「
『首領の護衛を頼みます。探偵社とて此方の頸を狙いに来ますから』
「了解した」
コツコツと紅葉幹部も退室していく。
部屋には、私だけが残されている。
今居るこの部屋は首領室だ。
開放的なまでに広がる窓の下に広がる光景に顔を歪める。
『ポートマフィアを…横浜を守らなければならない』
無数の黒服達を眺めた後、窓から離れた。
その、瞬間。
何かに弾かれたように窓ガラスが飛び散った。
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ユウリ(プロフ) - ねころさん» 個人的に私もそこ大好きなので(自画自賛)同じ人が居て嬉しいです〜(^^)祝日の間にあと一、二話更新出来たらなぁと思います (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 指摘ありがとうございます!深夜テンションで書いていたので全く読み返した時と分かりませんでした……ストーキング夢主をこれからもどうぞよろしくお願いします(( (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
神皇音雅樂(プロフ) - 夢主の太宰への一途さが可愛すぎます。これからも更新頑張ってください。あと、32話の"人の話"が"人な話"に、"首領の話"が"首領の話し"になっています。訂正お願いします。 (2019年9月16日 7時) (レス) id: d0313e3af1 (このIDを非表示/違反報告)
ねころ(プロフ) - 潔い…しゅき…のところが好きすぎて見返しては頬が緩むのを感じます。更新楽しみにさせて頂いております。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: ef39eb690c (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - コメントありがとうございます!応援して頂けると本当に励みになりますm(_ _)m (2019年9月10日 18時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年8月12日 13時