【文豪ストレイドッグス】太宰治に貢ぎたい

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首領がエリス嬢と共に街へ出掛けてから数刻が経過した。


私は、今日も今日とて事務仕事。
ああー癒しが足りんよこの組織。というか治君が居ないとか本当しんどい。

ただ貢ぎたいだけなのにそれすらも理由をこじつけなければいけないとか無情すぎる…。



そもそも、首領のせいだよホント！
なんで治君を組織から追い出しちゃったのかな〜〜。

心配症が過ぎると思うのは私だけだろうか。
治君が首領を殺して新たな首領になった所で、あの人になんの利益もない。

面倒事が積み重なってストレスになるだけだ。

首領に成り立ての先生を見てきた分、彼も私もその事はよぉーく理解してる。

信頼が足りないとか、お金が無いとか、敵が多いとか諸々。


治君写真集をペラペラと捲っていく。

何枚もの写真の中、治君単体のものや首領、中原君、坂口さん、織田さん…色んな人と対話する治君が収められている。


矢っ張り織田さんとのツーショットの時の治君は世界一輝いてる。
はあ〜〜すき。








"「お前ではだめなのか？」"


ふと、織田さんの言葉が脳裏を過る。


『だめ…だめでしょうよ、そりゃあ』


治君には幸せでいて欲しい。
なればこそ、彼の隣に立った時最も彼が楽しいと感じる人と共に居て欲しい。


『織田さん…惜しい人を亡くしたな』


本当に。…本当に。









「津島さん！！！」


ガタガタと扉が忙しなく開き、部下が血相変えて入室した。

『まだ許可も取らないうちに入るとはいい度胸で…』


「ぼ、首領が…！」


ーーー敵にやられ、現在意識不明の重体に！！


バサり、とアルバムが落ちた。



『…ｯｯ､やられた…！！』

逆手に取られた。ドストエフスキーは簡単に動かないという固定概念が染み付き過ぎていた。
仮面の暗殺者こそが囮…！！


『首領の容態は！？』


「わ、わかりません…！今現在ポートマフィアの手の掛かっている病棟に…」


『…幹部達に収集をかけなさい、緊急会議です』


やられた！やられた！！！

首領が、もし死亡してしまえばポートマフィアはかつて無いほどに荒れる。



『首領の居ない今、私が指揮を取ります』




それだけは、なんとか阻止しなければ。

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