もう、離してください

肆拾 ページ49

あれから無事に家に帰れました
お陰様で首が驚く位痛いです

須「Aちゃーーーーーん！！無事で良かったですーー！！私本当に心配しました！」

ま「須磨！Aは帰ってきたばかりなんだ！抱きつくんじゃない！」

雛「こら2人共、もうちょっと静かに…」

『相変わらず賑やかで楽しそうです！』

雛「ごめんね煩くしちゃって…疲れたでしょう？晩御飯まで部屋でゆっくりしてきていいわよ」

『ありがとうございます！雛鶴さん神』


というやり取りがあった為私は部屋にいるけど
やる事とか特にないんだよなぁ
蝶屋敷ではずっと寝てるように言われてたから眠くもないし


『怖かったな、煉獄さん…………』

入院中何よりの嫌な記憶
思い出すだけで息苦しい

『はぁ……会いたくない……』

宇「やっぱ悩んでやがる」

人の部屋に堂々と…というか、もしかして

『今の、聞いてました？』

煉獄さんのことがバレる訳にはいかない
口で言わずとも伝わってきた。"言うな"あの時の目はそう言っていた
だからしのぶさんが来た時も助けてと言えなかった

宇「なんの事だか知らねぇが悩んでんのは分かった」

良かった……バレてない……

宇「とでも言うと思ったか」

『え』

宇「俺の耳良いの知ってるよな？」ﾆﾔｧ

師範、良くない笑顔が浮かんでます
というか……やばい
聞かれたの？今まずい事なんも言ってないよね…
いや言ってるな煉獄さん怖いとか言っちゃったよね

宇「んで、煉獄がなんだって？」

『いや、煉獄さんがお見舞いに来てくれて良かったなぁって話です』

んな嘘ついたってバレるから！でも他にいいの思いつかなかったし

宇「ふーん…何されたらそんなにびびるわけ？」

全っ然効果なかった
もう1ミリも効果なかった

『言えません』

宇「はぁ？なんでだよ」

『言えないからです』

言ったら確実に殺される

宇「何されたんだか知らねぇけどよ…そんなに怯える程なら言えよ…今が嫌なら気が向いたらでいいからよ」

『………はい…』

宇「御館様には一緒の任務になんねぇように言っといてやるから」

『ありがとうございます……』

私の気持ちを察してくれたのかそれ以上の詮索はしないでくれた
今はその気遣いがとてもありがたかった

作者より→←丗玖

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