もう、離してください

壱 ページ3

青く澄み渡った快晴の空の下
強くなるために今日も今日とて私は稽古をする

『997、998、999、1000！』

素振りを終えた私はふぅ…とため息をつき水分補給へ向かう

「よぉ、A。今日も派手に自主練かァ？」

『はい！そりゃ派手に強くなりたいので！」

後ろから声をかけてくれたのは私の師範である音柱の天元様だ
いつも私の悪い癖や意識しきれていない所を指摘してくれる

「そうだな…ただ刀を振ってるだけじゃ意味がねぇ。もっと腰を入れるんだ。」

こうですか？と尋ねてみればそのまま試しに振ってみろと言うので2、3回振ってみる

「さっきよりも力は入れずなおかつ早く振れるだろ？」

『確かに…』



そんな会話をしていると

？「うむ！ここに宇髄はいるか！？」

やたらでかい声で天元様を呼ぶ声が聞こえてきた

「おーーう煉獄か、こっちにいるぞー」

「そうか！では今向かう！」

………いや、声でかくね？
いくら屋敷がでかいと言えどもたかが玄関と庭の数メートルでしょ？そんなでかい声出さなくても聞こえるわ

なんてことを思いつつ水を飲んでいたら


宇「Aー、こいつが煉獄だ。この派手な髪色と派手な声のでかさ、こんなやつそこら辺探してもなかなかいねぇよ」

煉「よもや！貴様に派手と言われる日が来るとはな！！」


天元様に限らずみんなが口を揃えて言うよ
派手だ

黄色と赤色で長い髪の毛
渦を巻いたかのような目
そして何よりバカでかい声

これを派手だと思わないやつはいるのか
そんなことを思いながら私は挨拶をする

『初めまして。私は夕霧Aです。天元様のおっしゃる通り随分と派手な方ですね、あ、別にけなしてる訳じゃないですよ！？褒め言葉です褒め言葉！』

失礼なことを言ってしまった。本当にそんな変な意味で言った訳では無いので誤解されなければいいが…

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