もう、近づかないでください

肆拾壱 ページ2

鎹鴉から私宛に手紙が届いた

『最悪……煉獄さんからとか……』

今度2人でどこかに行かないかって言われましても
どこかって何処よ、行きたくないよ

『でもどうせ逃げられないんだろうなぁ…』

なんか考えてたらモヤモヤしてきた…散歩でも行こうかな





＿＿
相変わらず街は賑やかで行き交う人達もなんだか楽しそうで活気に溢れていた
でもそれすらも今は憂鬱の原因になってしまう

『羨ましい……』

きっとここで楽しそうにしている人は悩みなんて無いんだろうな
仕事の疲れさえも頑張った証拠なんて言って笑顔で生活出来るんだ

そうやって嫉妬心たっぷりに街の人々を眺めていると

『あれ、あの髪の色は……』

見覚えのある髪色、羽織…やっぱりそうだ！

『炭治郎!!』

呼ばれたことに気づいた炭治郎は笑顔で振り返る

炭「Aか！」

んぐっ、か、可愛い…

炭「退院したんだな！元気そうで良かった！」

『ん？善逸と伊之助は？』

炭「今日は単独任務だったんだ」

『なるほど！だから1人なのか』

炭「そうだ、Aこの後時間あるか？この前美味しい甘味処を見つけたんだ」

それって炭治郎と2人でってことだよね！？
こんなに可愛い子と行けるとか…

炭「俺と一緒は嫌か？」

『嫌なわけない！行くに決まってる！』

断る理由なんかある訳ない
世界中のどこ探してもこんなに可愛くて優しいイケメンいないよ
さぞやモテるんだろうな…
炭治郎ならきっといい人にも出会えて幸せな暮らし送るんだろうな

(あれ……なんでこんなに悲しい気持ちになってんだろ)

炭「A大丈夫か？なんだか寂しそうな匂いがするけど…」

そうだった！炭治郎は鼻が聞くから匂いで感情がバレるんだった！

『何でもないよ、気にしないで！私のことは良いから早く甘いもの食べよ？』

炭「そうか…それもそうだな」






炭「(本当に大丈夫ならこんなに寂しい匂いはしない……何か言えないことでもあるのか？)」

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