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銃声に目が覚める。
gr「…戦争日和だな。」
『物騒ね。』
gr「もう俺行かなくていいんじゃね?」
『そうね歩く物騒さん早く服着て。』
gr「えー別に良くない?」
『最期くらい体裁というものを気にしてくれる?』
渋々といった様子で布団から出ていくグルッペンを見送るA。けが人とほぼ同じ扱いだからとゆっくり体を起こした。
gr「水。あとこれ服。」
『ありがと。』
gr「ちなみにどこがいい?」
『…どこでも変わらなくない?』
gr「リビングの方が見つけられやすいかもしれんぞ。」
『じゃあそれで。』
gr「…軽いな。」
『ちなみにって聞いてきた人に言われたかないね。』
その言葉にグルッペンは、彼女は出会った時から全く変わっていないと確信して、自分の馬鹿な憶測を捨てた。
どこまで自分が偉くなっても、Aだけは、変わらず自分を見ていたのだ、と。
『拳銃、2丁ある?』
gr「あるぞ。」
『あっぶな、投げないでよ。』
爆撃で地面が揺れた。
『終わりだね。』
gr「いや?次がある。」
『そうね、待ってる。』
gr「おう、出来れば目立っておいてくれ。」
弾は2発。
狙うのは、心臓。
gr「…」
『…なに?』
gr「最期にちゃんと口にキスしてくれないか?」
『わかったよ…』
少し背伸びをして。
『満足した?』
gr「ん。」
『…じゃあ、また。』
gr「あぁ、またな。」
――2本の薔薇の白い花弁が、赤く染った。
ー
ド=モ、馬鹿長後書き作者です。
8周年おめでとうございます。
軍パロ、真面目に戦争すると難しいですね。しばらく某美大落ちさんを調べてました。
敢えて無言を長引かせることでこの人は何を話すんだろう?と注目させるとか、主語を大きくするとか、対面の演説に強いひとだったっぽいですね。
総統という役職に着いたら、誰もが彼を総統と呼ぶ。つまり、彼自身を見てくれる人は居なくなってしまうのでは?というなんか哲学チック(?)な疑問から始まって書き出したお話です。
2人だけは心を許して素のまま喋ってる感じが欲しくて、喧嘩するほど仲が良いカップルになりました。
あっけなく終わらせる!と決めていたんですがこれはこれでいいのかと今更不安になっています。
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作者名:etra | 作成日時:2024年3月16日 13時