うつくんのにっき【d!】【ut】 (ページ8)

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で、今Aちゃん家にいる。
Aちゃん家のリビングで椅子に座り、目の前のお茶をお互いに見つめている。
…展開はやない？心臓爆発しそうなんやけど。

「うつさん。」
「ハァ↑いちょまって裏返ってしまったなんですか？」

緊張が声に出るという失態を何とか誤魔化そうと饒舌になる。
それをみて、Aちゃんは笑い出した。

「ふふふ…！いや、うつさんといると楽しいです。」
「…そか、それなら、よかった。」

ほっと胸を撫で下ろす。
こんなことで笑ってくれるなら、いくらでも。

「…あの子な、僕の元カノやねん。」

腹を括って話し出す。
声が震えてたらどうしよう。

「会社に広めないようにって約束をあっちが破って、それ以外のことも積み重なって別れてん。
…そしたら、僕がAちゃんと仲良くしてるから…ってことだと思う。その、ほんまに。僕のせいで、ごめん。」

テーブルに着くぎりぎりまで頭を下げる。
こんなに誠心誠意やってるのはいつぶりか。

「…目、合わせてくれませんか。」
「う、うん…」

そっと姿勢を正してAちゃんのぱっちりした目と視線がぶつかる。
栗色の瞳は涙を貯めていたからかうるうるとしていた。

「やっぱり、安心します。」
「そ、そう？」

「うつさん、別れた理由に私は含まれますか。」
「…ほんとは含んでる、ごめ「謝らないで。」わ、わかった。」

Aちゃんの前じゃ、嘘をつけなかった。
「僕な、彼女は人並みに作ってきたけど、Aちゃんに会って、これが恋なんやって思ってん。
…都合のいいやつやろ？やからもう、」

諦めようか、とは言えなくて、口を噤んだ。

「うつさんは、ご自分のことを卑下しすぎです。」
「っえ、でも…」

たじろぐ僕の手を両手で包むAちゃん。

「同じこと考えてるはずなので、うつさんが言わないなら私が言います。」
「えっえっあの、ほんまに言うてる？」

流石にこんなに雰囲気出されて察せないほど馬鹿じゃないから。
頬を赤く染めるAちゃんは、まさしく恋する乙女の表情だった。

初めて見た。あの日俺もそんな顔してただろうか。
それなら。

本当に、許されるなら。

「Aちゃん、好きです。付き合ってください。」

「…不束者ですが、宜しくお願いします。」

＿＿握り返した手から伝わって、心まで暖かくなったように思った。

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