うつくんのにっき【d!】【ut】 (ページ6)

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Day 5 ページ6

目の前で泣き崩れる女を見ても何も感じなかった辺り、屑という言葉にふさわしいなと改めて思う。

別れを切り出すと信じられない、みたいな表情を浮かべて、時間が止まって、やっと理解したのか化けの皮が剥がれた。

なんで、とうわ言のように呟いていた元カノ。
お家デートから叩き落とされた気分はどれほど不快だろうか。

＿＿勘が当たった。
付き合った理由がはっきりしないとか
隠し事がありそうだとか
徹底していたのに会社で噂がたったとか。

それらの点が、目の前の女の半分ヒステリックな自供で繋がった。

＿＿行為中、俺は好きだとは一切言わなかった。
でも目の前の女は俺のことが好きやった。
だから、そういうことにした。

会社で噂が流れたのも自分でやったそうだ。
まあ、ただの自己顕示欲ってやつだろう。

自分で噂を流しておいて、元カノの根底には、『好かれたい』ではなく、『嫌われたくない』があった。だから隠した。

俺、めっちゃ冴えてるやん？
Aちゃんと出会ってからというもの、周りの事象が好転しだした気がする。

かまってちゃんはうんざりや。
『なぁ、僕な？嫌いやなかったよ。』

『居心地がいいのは確かやった。』

『なんで…？なんで、かぁ。』

『…良い女(ひと)だったと思う。でも約束破ったんはそっちやし、僕は悪いやつやった。』

それだけ。
『ごめんな、でもきっとええ男(ひと)がいるよ。』

俺よりもっと、ええ人が。
俺にもいたのだから。

嫌だ、別れたくないと喚く元カノ。

最後に抱いて、ってさ。
正直乗り気ではなかったけど、そしたら別れる、広めないという約束も守る、と言う。
…まあ、それならいいか。と女に手を差し出した。

部屋に響く喘ぎ声に耳を塞ぎたくなった。
＿＿例えばこれが、Aちゃんなら。
いや、やめよう。代わりにするのは。

キスはしない。
好きでも何でもないから。

眠ったのを確認して後処理。ただの作業だ。

『さよなら▢▢ちゃん。』

たしかそう言って、家を出た。

「あかんな、もう名前思い出せへんわ。
つい昨日までよく呼んでたんやけど。」

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