うつくんのにっき【d!】【ut】 (ページ4)

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Day 4 ページ4

いつもより、ちょっときれいめの服を着て、
水飲んで発声練習をしてから、8時に家を出た。
Aちゃんとこのカフェはモーニングもやってるから朝早く行っても大丈夫。

普段、通勤で通る道。
いつもは重い足取りが、今日ばかりは雨が降っていようとお構い無しに軽く、世界に色がついていた。

まあ正直、今日の俺はだいぶ気持ち悪かったと思う。
女の子からお誘いを受けてちょっとおしゃれするあたり、ロボロと大差ない。

重い木製の扉を押すと、からんころんとベルが鳴った。

『いらっしゃいませ…あ、▇▇さん！』

その声に、マスクの下でニヤけたかもしれない。
…えきっしょ。エーミールに何も言えへんでお前。

カウンターに座ってメニューを開こうとすると、ぱたぱたとAちゃんがバックヤードに走っていって、何かを持って帰ってきた。

『私のでよかったら、これで拭いてください。』

ふわふわのタオル。
気付かなかったが傘からはみ出ていた肩が濡れていた。

『ごめんなべちゃべちゃで…今気付いたわ。』
『その、大丈夫ですか？』
『うん、大丈夫やで！』

だって、目の前にAちゃんがおるから。
言いはしなかったけど、にこっとわらった。
紛れもない、事実だった。

目の前にコーヒーと丸いお皿がひとつ置かれた。
初めて食べる、モーニングセットってやつ。
起き抜け1番のコーヒーは喉にくるけど、
俺の気持ちの問題か、Aちゃんの腕なのか、すごく美味しかった。
焼きたてのパンを頬張れば幸せそのもの。

ぺろりと軽く平らげた。

『▇▇さん、まだお腹すいてます？』
『えっうん、すいとるよ？』
『じゃあこれ、サービスです。』

ずっと気になってたパンケーキ。
しかもちゃんと1人前。
流石に遠慮しようとしたけど、注文入ってないのに作っちゃって…と説得されてしまった。
それならと頼んだことにしてお金は払った。

流行りの、厚くてふわふわなパンケーキではなくて、ひとつが大きい、しっかり焼き色のついたそれが2、3個重なっている。
バターが表面で溶けていく。
ふわふわもちもちと言うより、消えていくような甘み。

すごく美味しかった。
それを伝えると嬉しそうに、ぱっと笑うAちゃん。
周りに花が咲いたように見えた。

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