うつくんのにっき【d!】【ut】 (ページ3)

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Day 3 ページ3

Aちゃんに会った。
残業終わりの木曜日。
会社を出たらカフェから出てきたAちゃんとばったり。

ちょうど会いたいなぁなんて考えていた矢先やったから呆然としていると、Aちゃんから『お仕事終わりですか？』と声をかけてもらった。

家が同じ方向やった。
Aちゃんと一緒に帰れると思ってゆっくり歩いたりなんかした。
＿＿らしくもない。

いつもの、カウンター越しにお喋りするのとは違う。
例えるなら、青春の1ページ。
…なあ。俺今どんな顔しとるやろか。

Aちゃんは、違う。
日が落ちているからかいつもより静かなトーンで、もう胸がどきどきしてしゃあなかった。
出会った日と同じ冷たい風が吹いて、Aちゃんの白いマフラーが揺れる。
コツコツと地面を鳴らすヒールの音が聞こえる。
ヒールはそんなに高くなかったけれど、俺の目にはAちゃんがカフェの中の天真爛漫な女の子ではなく、1人の女性として映った。

その姿に、どうしようもなく惹かれた。
仕事の話。
Aちゃんのカフェはまだまだやることが山積みだけれど、それが楽しいってこと。
…最近、僕と彼女が付き合ってる旨の噂が流れていること。

休みの過ごし方。
映画とかアニメとか見て、お菓子をつまんでること。
僕の休みは用事で潰れることが多くて、ほぼ半日なこと。

気付けば色々話していた。
Aちゃんに話すべきではない話を、俺の弱みを。

『明日、カフェやってますよ。』
去り際にAちゃんがそう言った。
結局暗いからと家まで送って、Aちゃんがエントランスに向かおうとして、振り返って告げられた。

恥ずかしそうに小声で。でも確かに。
俺の返答も待たずに早足でアパートに消えていったAちゃん。
明日は有給取ってて休み。ナイスすぎる。

「明日、午後撮影あるな。」

今からでも休みに…無理か。
まあ多少遅刻したところで寝坊で済まされるやろうから、昼に帰ってくればええわ。

正直楽しみ。
メンバーにバレるかもしれないとか、会社の人に見られるかもしれないとか、どうでもいい。

Aちゃんも、同じ気持ちやろか。

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