金属バットを振り回す【FGO】 (ページ37)

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数日後、彼女の部屋が破茶滅茶になった

敵襲なんかじゃない、彼女が暴れたのだ
…いや、正確にはヘクトールと彼女が暴れた。の方が正しい

「…君にはどうも、破壊衝動があるらしいね」
「強くなりたいんだ、私は。決して街のゴロツキと一緒にしないでよ」
「その割には楽しそうじゃないか」
「だってあのヘクトールと手合わせできるなんて！どうせ勝てないし、いくら殴ってもいいって…最高だね」

ニコニコと楽しそうに長い髪を一つにまとめる彼女を制止しない名探偵も、名探偵であろう

「おいおい、こんなオジサン殴って楽しいのか？」

こちらもこちらで“オジサン”と言う割には少々筋骨隆々すぎる気もする

「いやいや、こんな事言ったらロアちゃんに殺されちゃいますけど…結構タイプだからなぁ、罪悪感は湧くね」
「そりゃあ嬉しい。まあ俺のトロイアは1人で十分だ、何なら俺のマスターになってくれりゃあ良かったのに」
「そんなこと言われると照れちゃうなぁ力抜けちゃう」

軽口を叩いてはいるものの、彼女はずっと拳をヘクトールに入れている

がしかし全て軽くあしらわれている

彼女もムキになってくるもので無理にでも一発入れてやろう、と段々と顔がこわばっていく

それとは対照的にヘクトールの顔から笑みが消えることはない
むしろ増しているのではなかろうか

「こりゃあ案外、強いマスターを持ったんじゃないか？名探偵」
「んんん！！そんな事言っといて私の全部防いでるじゃん！！一発くらいいれさせろよっ！っての！」
「それは無理だな、痛いじゃん、そういうの」
「オジサンでしょ～～？受け止めようぜ」
「オジサンだから、腰が死ぬ」