金属バットを振り回す【FGO】 (ページ29)

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「ひま」
「へえ、奇遇だね。僕もさ」
「ひまひまひま！！！」
「うるさいなぁ。本でも読めばいいじゃないか」
「もう家の本は全部読んである」
「僕の話も？」
「もっちろん読んださ、ワトソン博士がどれだけ苦労していたか文面で伝わったけど実際には体験したくなかった」
「ワトソンくんも楽しそうだったぞ？」
「お前自分の推理のとこぐらいしか読んでないんだろ」
「ちゃんと全部目を通したさ、でも僕だったらもっと違う感じで書くかな」
「うわ、そういうこと言うんだ。やなやつだなー」

彼らは暇を持て余していた

「そうだ、血のストック作ろう。今日は何もすることないし」
「いいアイデアだ。でも君から言い出したんだから、文句は言わないでくれよ？」
「わかってるっつーの」

この前と同じように注射器を出し吸っていく

「いっぱい抜くと案外痛いし疲れる」
「文句は言わないって約束じゃないか」
「すみませーん」

何本か取ったところでやめにした

「ん？もういいの？」
「取りすぎて死なれても困る」
「なるほど。じゃあ早速お願いします」
「？何を？」
「ソファーへ、だっこ」

腕を差し出して抱き上げろと言う彼女に名探偵は呆れた
呆れてため息をついた

「…それくらい自分でやってくれよ」
「ケチだな…這っていってもいいんだぞ？」
「勝手にしてくれ」
「とことん薄情なやつだな」

なんとか立ち上がって壁伝いでソファーまでたどり着いて横になった

「つら」
「文句言っていいのか？」
「だめですね、すみません」

横になった彼女はすぐ寝てしまった

「おーい、風邪ひくぞ」

毛布でももってきてやろうと思ったのは博士などから学んだ数少ない優しさ