僕の元カノ (ページ29)

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29話ページ29

JF side

くしゃっと色の明るい髪をかいた。

変に香水を吹きかけられて

自分の匂いによってしまうくらい。

先輩たちに憧れて履いた

ピチピチのズボンは

悲しいくらいに似合わなかった。

そんな自分にため息をついて

舞台裏へと足を急がせる。

JK「あ」

高い声が聞こえたけど

僕じゃないと思う。

JK「いた…」

がしっと力強く手首を掴まれて

後ろに聞こえた声はもうすぐそこに。

僕とお揃いのピチピチのズボンを履いて

肩を大きく揺らしながら呼吸をしている。

「先輩、なんかあったんですか…？」

しっかり話したことは一度もないけど

緊張を隠して瞳を見つめた。

黒く綺麗にセットされた髪は

まだ上を向くことはなく

綺麗な顔すら見せてはくれない。

JK「この前俺に…」

「はい」

JK「僕のですっていったよね」

「僕の？」

今度は両手首をしっかり掴んで

大きいクリクリの目を向けた。

JK「Aは僕のって言ったよね！？」

言ったって言ってほしい

そんな目をしてる。

「言いました」

JK「っ、だよね」

「でも、」

ホッとした顔を

もう一度あげて

今度は不思議そうな顔で僕を見た。

「あれは嘘です」

さーっと顔色が悪くなって

複雑そうな顔をした。

「その時たまたま思いついた嘘を言ったんです」

JK「え、なんで」

「ヌナが困ってたから」

JK「そんなこと、なんでわかるの…」

「ずっと一緒にいたからです」

この人面白いなってくらい

色々な表情をする。

メイクした顔が崩れてしまってますよ。

JK「て、ことは付き合って…「ないです」

「付き合ってなんかいませんよ笑笑」

あ

この人はヌナが好きなのか。

ということは両想い？

「所詮僕の片思いですから」

羨ましさと

悲しさを含めた言葉を言った。

別に苦しくなんかない

わかってたことなんだから。

後は応援するだけ。

JK「ごめん…」

「な、なんで謝るんですか」

JK「俺、その恋応援できないから…」

恥ずかしそうに視線を落としたその顔は

先輩とは思えないほど可愛い。

テヒョン先輩なみに。

「知ってますよ」