すきなのに (ページ3)

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2話ページ3

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THside

またいつもの黄色い声が僕らを包んで握手会の始まりを告げるようにシャキッとさせた。

今日もズラーッとならぶ女の子たちの列。

はぁ憂鬱だ、また今日もいろんな人とお話しなくちゃ、話題をどうしよう。

ジンヒョンの次からくる女の子たちは

僕を見るなりまた作り笑顔をこぼしたように親しく決まりのように手を絡めてくる。

ほんとにサイン目的？って聞きたくなっちゃうよ。

『こんにちは〜どこにサイン書けばいい？』

前の女の子に手を振りながら次の子に声をかけた時だった。

その後は少し大人びた雰囲気を帯びていて

あまり目を合わせることなく『こんにちは』と緊張しながら挨拶してくれた。

そこからだ

少しその後は違っているって思ったのは。

『ここに』と指定された場所を開くと丁寧に付箋まで添えてあってその横に慣れた手つきでサインを書く。

あれさっきと違う。

『あれっ？』

『はっ、はい、？』

何でだろ僕おかしくなったのかな

『手、繋がなくていいの？』

僕からめったに言わないのに手繋がなくていいのなんて聞いてしまった。

僕からじゃ言わないんだからね！？

その子は手汗がすごいから繋がなくていいのって可愛く手を振りながら答えてくれた。

その小さい手を反射的に掴んで深く指を絡めた。

その度にぼぼっと顔が赤く染まっていく。

何故かものすごく可愛く見えてしまう

や、反応が可愛いからか？さらに強く握るとまた動揺したように時々僕の目を見たりして可愛く反応してくれた。

やばい惚れそう。

『俯いてばっかでどうしたの？具合悪い？スタッフ呼ぼうか？』

表情がぐるぐると変化する中で顔色が悪くなり

僕をつかむ手がどんどん緩んでく。

大丈夫ですというもののすかさず立ち上がり去ろうとするが彼女はふらっと倒れた。

『わわっ、大丈夫!?』

離れそうになる手を今度は手首を握り

彼女を支えた。