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31呪目:優しいヒト* ページ36

病院... 零side

保健室に運んだ後、奇病になりはじめたときから世話になっている病院に連絡を入れたり、散らばった宝石を片づけたりして一人忙しなく動いていた

石吐病のことは奇人のあいつら以外、学院では誰も知らないからだ。俺がやるしかない

医者「零くん、ここにいたんだね」

零「!先生、千景は...!」

昔からの知り合いで、千景の主治医の先生から言われたのは想像を遥かに越えた状況だった

医者「彼の石吐病のステージはまだ1と2を行き来している段階なんだが...驚いたことにいきなりステージ3にまで跳ね上がっていたんだ」

零「ステージ3...!?」

医者「一時的にだったけどね。だけど本当にステージ3にまで達してしまったら...やがて彼は、千景くんは...千景くんでなくなってしまうかもしれない」

医者「零くん。それでもきみは、彼になにも伝えないつもりかい?」

ーーーーー
数日後... 病室

『.....』

千景は、両親と妹にすら自分の奇病について話していなかった

とりあえずは適当に誤魔化しておいたが、これから悪化したら言わざるを得ないだろうな...

それにしても、悪化...しかも一時的な悪化の原因はなんなんだ?あの根暗野郎が原因なのはたしかだが...

零「なんで関係のないこいつがこんな目に合わなきゃいけねぇんだ...」

ああくそっいますぐぶん殴ってでも聞き出してぇ...!だけどそんなことすればあいつの思うつぼになる!

『れ、い...さま...』

零「!千景!?気がついたのか!?」

焦点の合わない虚ろな瞳をした千景は、それでも俺の方へ手を伸ばして俺の顔に触れた

『大丈夫です...千景は大丈夫ですから...あなたが怒ってくれるから、あなたが悲しんでくれるから、千景は...なにをされても平気です...』

『だから泣かないで...私の主人、私の光...』

っとに...こいつは...!なにもかも見透かしたような言葉ばっかりぶつけてきやがる!

...でも、こんなやつだからずっと俺の側に居続けられるんだろうな

『?零さま...?』

ズルいことはわかってる。あと少し、もう少しだけでいい。優しいお前に甘えさせてくれ

零「ありがとな、安心しろ。必ず俺が、お前を救う」




そうしたら、今度は俺のとなりを歩いてくれ

32呪目:憎悪と憤怒と怨嗟と*→←30呪目:守れなかった者*



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ぬん(プロフ) - 世界観がとても好きです。更新楽しみにしています! (2019年1月6日 23時) (レス) id: bc5dc7d709 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カトレヤ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月7日 12時

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