約束は呪いに呪いは祝いに (ページ15)

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１１呪目:演舞の支度ページ15

千景side

宗「ノンッ！ゼロコンマ二秒遅いのだよ影片！」

み「んぁ～！ごめんなさい！」

ただいま練習中でございます。あの外道にこちらが弱味を握られたケンカを売られた私たちはそれを迎撃するための準備中なのでございますはい

私たちがすべきことはただ一つ。あいつの望み通りのことを行い、それを越えるものを見せつけること

...才能ある少年たちの未来を、外道の悪食に利用させるわけにはいきませんからね。助けるのは今回だけですよ

『宗さま、みかさま。一度休憩しましょう、オーバーワークは身体に毒ですよ』

宗「ふむ、まぁその通りだね。五分だけなのだよ」

み「は～い」

さて、「七夕祭」までもういくばくの猶予もありませんね。パフォーマンスの方はどうにかなるでしょうが衣装はどうでしょうねぇ...

宗さまは芸術家らしくこだわりを持って衣装を作られますし、その衣装に袖を通すことはとても誇らしいのですが...延々と作るのはやめてほしいです。いやほんとに

衣装を着た状態での通しもやっておかねばいけませんし...そこからまた手直しをしなければいけませんしね

どうせまたこだわりにこだわり抜いたものが出来上がるのでしょうけど、お願いですから妥協というものを知ってください

み「千景兄ィ、水飲まんでええの？熱中症で倒れるで？」

『あぁ、飲みますよ。お気遣いありがとうございます...ゴホッゲホッ』

み「また咳？千景兄ィほんまに大丈夫なん？」

『大丈夫ですよ、いまは少しむせただけですから』

宗「橘、体調管理くらいきちんとしておくのだよ。きみに倒れられては影片の補佐をする者がいなくなってしまうからね」

『ご心配、ありがとうございます。宗さま』

吐き出した宝石をまたもバレないようにポケットにしまい、レッスンの輪へと戻りました

ーーーーーさぁ、我らの劇の開演まであと少し