10呪目:怨嗟の悪魔 ページ14
時は流れて夏... 朔間家 Noside
零「うぅ...ひさしぶりに帰ってきたはいいがこの日差しと暑さはキッツいぞい...」
昨日が帰ると決めた日だったためなんとか帰ってきた零は、夏の日差しにうんざりといった声で棺桶に引きこもっていた
だが日が暮れたらUNDEADでレッスンがあるのでそれまでに少しでも回復しなければならない。グッダグダで行ったら飼っているわんこがうるさいからである
コンッコンッ
零「む?」
一応冷暖房完備の棺桶だがそれでも寝苦しく寝れていなかった零は弱めに叩かれた棺桶の音に完全に覚醒した
凛月は元からおらず、他の家族も留守だ。いるのは使用人たちのみだが彼らは朔間の血が及ぼす体質をわかりきっているため余計なことはしない
ならば誰だと棺桶の蓋を開けた零は面食らったような表情になった
零「おやおや...めずらしいこともあるものじゃ。我輩にご用かえ?沙羅ちゃん」
沙羅「寝てるのに、ごめんなさい...」
零が「沙羅ちゃん」と呼んだこの少女のフルネームは橘沙羅。千景の年の離れた実の妹であり、使用人見習いである
おとなしく、使用人として仕事はまだまだ勉強中だが筋がいい。だが人見知りで、家族以外とはロクに話さない。というのは兄である千景の話だ
そんな彼女が自分になんの用かと零は内心首をかしげた
沙羅「あの、お兄ちゃんのことは...零さまが一番知ってるかと思って...それで」
零「ふむ...たしかに我輩が一番千景と一緒にいるやも知れぬなぁ。沙羅ちゃんはなにを聞きたいんじゃ?」
沙羅「...昨日、お兄ちゃんがすごく怖い顔で帰ってきて...しかもブツブツなにか呟いてて...なにかあったのかなって...」
零「なるほどのお...」
千景は基本的にまわりへの気配りもできる。その千景が妹にかまう余裕もないほど怒っているなどめずらしいにもほどがある
が、零はなんとなく原因を察していた
零「沙羅ちゃん。お兄ちゃんがなんと言っておったかわかるかの?」
沙羅「えっと...「皇帝、殺す...あのド外道...!許してたまるか...!」って」
零「...そうか、教えてくれてありがとの」
それを聞いた零は完全に察した
英智がValkyrieの弱点をついてドリフェスの舞台に引きずり出そうとしていること
それが千景の怒りを買うほどの卑怯なものであったことを
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ぬん(プロフ) - 世界観がとても好きです。更新楽しみにしています! (2019年1月6日 23時) (レス) id: bc5dc7d709 (このIDを非表示/違反報告)
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