２皿目:御侍と食霊 ページ5
Noside
『ありがとうございました。またのお越しを』
イオリは料理御侍の中では中堅に位置するであろう存在だ
経営している店の評判もよく、これまで積み上げてきた実績はバカにならない
契約している食霊は少なくないが、多いというほどでもない。だが堕神と相対したときは確実に仕留める強さがある
ミルク「御侍さま、用意していたランチはいまので売り切れました」
『わかった。一旦閉めようか、ディナーの用意もしないとね』
食霊ミルク。イオリとはわりと初期の頃に契約した食霊であり、白い瞳と長髪が特徴の少女だ
物静かでおとなしそうだが、かなり気が短く同じことを何度もするととんでもないことになるらしい。イオリはさせたことがないので知らないが
紅茶「御侍さん、いまの内に休憩なさってください。午後も忙しくなるでしょうから」
『そうさせてもらおうかな。気遣いありがとう、紅茶』
食霊紅茶。彼女もまた初期の頃に契約した食霊だ。帽子と優雅な服装が特徴の女性だ
真面目な完璧主義者であり、イオリも彼女から学ぶことは多いと密かに思っているが大っぴらに言うと謙遜されるため黙っている
カフェの裏口から出て、食霊たちが訓練したりするための場所に行けば二人の食霊が声をかけてきた
すき焼き「御侍、休憩か？」
ブラウニー「お疲れさまです。御侍様」
『二人も訓練ご苦労さま。すき焼き、ブラウニー』
食霊すき焼きとブラウニー。彼らはイオリが料理御侍に慣れはじめた頃に来た食霊であり、華やかな着物を着ているのがすき焼き、きっちりした格好をしているのがブラウニーだ
双方ともにイオリへの忠誠心が強く、彼らのおかげで助かったことも多い
ブラウニー「御侍様、ご用があれば何なりとお申しつけくださいね？」
『本当に用があるときはそうさせてもらうよ、ありがとう』
すき焼き「あぁそうだ。あいつなら、いつものところに行くのを見たよ？」
『...察しがよくて助かるよ、すき焼き』
二人に別れを告げたイオリは少し小走りになりつつも、店の裏手にある丘へとたどり着いた
そこにいたのは木に寄りかかって本を読む長髪の、目付きの鋭いコックコートを着た青年だ
パステル「...なんだ、お前か」
『ようやくランチが終わってね。休憩に来たんだよ、パステル』
食霊パステル・デ・ナタ。彼はなにを隠そうイオリがはじめて契約した食霊だ
人と接することを嫌うひねくれ者だが個体差なのか、イオリに対しては少しやわらかい。現にイオリがとなりに座っても文句一つ言わないのである
彼らが、イオリがもっとも頼りにする食霊たちである
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カトレヤ(プロフ) - クロさん» コメントありがとうございます！これからもがんばりますね！ (2018年12月22日 10時) (
レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 人形の魔女と蒼目の蛇の作品から好きで、時間があるときにちょこちょこ覗きに来ています。 どの作品も面白く、ついつい時間を忘れてしまいます(笑) (2018年12月22日 9時) (レス) id: c84c961557 (このIDを非表示/違反報告)
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