１４皿目:夢の中の堕神 ページ17
退院から数週間後... イオリside
『...ここは、どこ？』
辺り一面に桃色の花の咲く木が生える大きな広場。辺りには誰もいなくて、自分一人だけなのだということがよくわかった
『あのー！誰かいませんかー？』
「....こっち...へ...」
『え？』
そんな空間に突然響いた高くも低くもない音程の声。それに驚いて振り向けばさっきまでいなかった青年がこっちを見ていた
黒を基調にした、赤い縫い糸の目立つ左肩に鬼の絵柄が描かれた着物に、赤い糸が頭に絡んだ灰色の髪の鬼面を持った若い青年
その赤い目に光はなく、静かにこっちを見ていた
『...きみは』
「約束...を...」
『約束？』
それがなにか尋ねる前に花吹雪が舞い、青年の姿は見えなくなっていた
ーーーーー
一週間後... 飛竜庵キッチン
『はぁ...』
ヨーグルト「御侍様、寝不足ですか？」
『うん...ちょっとね、夢見が悪いわけじゃないんだけどここ最近ずっと同じ夢でさ...』
例の灰色の青年の夢を見はじめてから一週間。あの広場に生えている木が桜というものだということ以外、なにもわかっていないのが現状だ
...いや、それは少しちがうか。俺はその桜の木が生えている唯一の場所を知っている。あとはあの青年が誰なのか...それがわかんないから苦労してるんだけどね
『明らかに人じゃないことしかわかんないんだよな...』
赤ワイン「ついに寝不足でとち狂ったか御侍」
お前のお気に入りのワイングラス割ってやろうか赤ワイン...！
ヨーグルト「まあまあ、それでどんな夢なんですか？」
ヨーグルトと、仕方なく赤ワインにその夢の話をすれば二人とも訝しげな顔をしていた
ヨーグルト「ほんとに誰なんですかね？その
の灰色の青年って。それさえわかれば御侍様の寝不足も治るでしょうに」
『ヨーグルトそこなのか』
赤ワイン「...そいつ、蛇君じゃないのか？」
『蛇君？』
桜の島に生息している堕神の一種で、グルイラオでいう暴食、光曜大陸でいう暴飲王子みたいな特化型の堕神だそうだ
なんで赤ワインが知ってるのかというと「買いものに行ったときに桜の島の商人に話を聞いたから」だそうだ
ヨーグルト「でもなんで堕神が御侍様の夢に？」
赤ワイン「知るか。まぁ、こいつは色々堕神と縁がありすぎるせいでそんな夢見たんじゃないのか？」
『縁がありすぎて悪かったな...』
だけど、約束？俺はいま聞くまで蛇君の名前すら知らなかった
...まさか、父さん関連か？
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カトレヤ(プロフ) - クロさん» コメントありがとうございます！これからもがんばりますね！ (2018年12月22日 10時) (
レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 人形の魔女と蒼目の蛇の作品から好きで、時間があるときにちょこちょこ覗きに来ています。 どの作品も面白く、ついつい時間を忘れてしまいます(笑) (2018年12月22日 9時) (レス) id: c84c961557 (このIDを非表示/違反報告)
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