６２。 ページ28
. キヨside .
「あれ、眠いのAさん。って、え。もう寝た？はやくない？？」
「最近疲れてるみたいだったしね。寝かせといてあげよ」
椅子の下においてあるタオルケットをかけて、Aさんの髪を撫でるレトさん。
あ〜、いいな。羨ましい。枝豆を口に放り投げながら、そんなことを考える。
「…実はキヨくんに話があるんだけど」
「ん？なに？」
何杯目か分からない烏龍ハイを一気に飲み込み、体を向き直すとレトさんは見たことないくらい真剣な表情をしていた。
「今言うのもあれだけど…結婚式のことでさ」
アルコールは飲んでいないのに雰囲気に酔ったのか、へへへと子どものように笑うレトさん。
「キヨくんに、その…スピーチ、してほしいなって」
「っえ！俺？！えー、やば。緊張するんだけど…！全然やるよ！やるやる！」
複雑なのは言うまでもなくて、喜ばしい気持ちに染まりきってない自分の感情に、まだしっかり向き合えていない。
「よかったあ。ありがとお…！まだプロポーズもしてないのに、気が早いって分かってるんだけどさ。スピーチは絶対キヨくんがいいなって思ってて」
恥ずかしそうに呟くレトさんの笑顔を見ると、感情が揺れる。
幸せになってほしいと思うこの気持ちは本物だ。
「っ、当たり前っしょ！その代わり、俺の式でもレトさんがやってよ…っう」
「え、ちょっ！なんで泣いて…！」
気付いたら涙がボロボロ零れ落ちていて、俺は引くほど泣いていた。多分生まれた時くらい泣いた。
「こんなこと言うのキモイってわかってるから！分かってるからキモイって言わないで！分かってるから！っぐす…っ、はあ…ほんとに、幸せになりやがれ」
「キモ「だから言うなって！！」
その日はどうやって帰ったか記憶がない。きっとレトさんが運んでくれたんだろう。
「あー…っあたまいてぇ…あれ、なんでコイツこっち向いて…？？」
昔イベントでもらったシルバーでできた猫の置物。窓の外を向くように置いていたのに、なぜかこちらを向いている。
「……酔って触ったのかな」
そんなこともあるよな、とその時は特に気に留めてもいなかった。
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ちゅ〜る - 更新してくれてありがとうございます！更新されてるのを見て嬉しすぎて叫びたくなっちゃいました、もう内容が好きすぎて...！お忙しいと思いますが更新頑張ってください！心から応援しています(o^^o) (2021年2月17日 0時) (
レス) id: cb42e8d372 (このIDを非表示/違反報告)
Malia(プロフ) - 遅コメ失礼致します(о´∀`о)めっちゃ好きなんですが心臓が持ちません_(┐「ε:)_主様は今お忙しいのかな…?夜しか眠れないほど続きが楽しみです(●´ω｀●) (2020年9月20日 2時) (レス) id: b99f87fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
Misya - 突然のコメント失礼します!ぴより様のストーリーが好きすぎて、ファンになりました！更新頑張ってください！ (2020年3月1日 19時) (レス) id: 6862801167 (このIDを非表示/違反報告)
ぴより(プロフ) - にぼしさん» コメントありがとうございます…！！にぼしさんの性癖に刺されて嬉しいです（；＿；）！更新遅くて申し訳ないですが気長にお付き合い頂けたら嬉しいです！！ (2020年2月20日 22時) (レス) id: f82d25de14 (このIDを非表示/違反報告)
にぼし(プロフ) - 突然のコメント失礼します…ぴより様の書かれるれとさんが性癖過ぎてしんどいです…更新頑張ってください！ (2020年2月9日 23時) (レス) id: 6acb1113f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年11月6日 23時
