６０。 ページ26
. キヨside .
「どうしたんですか、そんなに急いで…」
普段から運動不足の俺が必死になって走って車までいけばこの調子。Aさんは急ぎの用事があるのかと勘繰っている。
俺は助手席に乗り込んで、息を整えた。
「いや…はあ…はあ…カッコ悪いでしょ…ほら…」
「？…まあ、たしかにいつもよりはカッコ悪いです…？？」
あんな風に呼び止めてゆっくり歩いてくるなんて、カッコ悪いでしょという意味で言ったのに、変な伝わり方をしたのがおかしくて、笑いが止まらなかった。
「ちょ…！今、疲れてんだからっ、笑わせないで…っはは！」
「ええ、なんで笑うんですか、！」
不思議そうにするAさんに喉がカラカラだと伝えると、後部座席に水があると言って運転席から出ようとしたAさんの腕を、反射的に掴んでいた。
「えっ」
「あ、え…や！これは…その…」
狼狽える俺と居心地の悪い空間をリセットしてくれたのは電話の音だった。
「あ…レトくんだ。」
その声と同時に手を離す。俺にひとつ詫びてから彼女はすぐに電話に出た。なんとなく、俺とレトさんが逆の立場だったらと思うと、多分出てくれないんだろうな。なんて考えてしまう。
「うん。今はキヨくんといるよ。…わかった、誘ってみるね」
何か嫌な予感がする、と思いながら電話を切ったAさんの顔を見る。
「レトくんがこれから3人でご飯行こうって言ってるんですけど、キヨくんどうですか？」
「あ、あー…いくわ」
「よかった！じゃあ早速行きましょう！」
一瞬行くべきか躊躇ったものの、彼女の嬉しそうな顔を見ればもう断れない。レトさんに会う前に、ちゃんと謝らないと。
「まって、その前に、その…ごめん。俺、Aさんに変な態度とって、その…」
「ふふ、もういいんですよ。あ、その代わりに…これからまた前みたいに仲良くしてくれます、か？」
少し気恥ずかしいのか目を泳がせながら訪ねてくるAさんの可愛さを直視できないと思いながら、理性を持って大きく頷く。
「じゃあ、はい！仲直りの握手！」
嬉しそうな笑みを溢すAさんに導かれるがまま、手を握る。あたたかい手のひら。
俺たちはそれからすぐに事務所に帰り、レトさんが来るのを待っていた。
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ちゅ〜る - 更新してくれてありがとうございます！更新されてるのを見て嬉しすぎて叫びたくなっちゃいました、もう内容が好きすぎて...！お忙しいと思いますが更新頑張ってください！心から応援しています(o^^o) (2021年2月17日 0時) (
レス) id: cb42e8d372 (このIDを非表示/違反報告)
Malia(プロフ) - 遅コメ失礼致します(о´∀`о)めっちゃ好きなんですが心臓が持ちません_(┐「ε:)_主様は今お忙しいのかな…?夜しか眠れないほど続きが楽しみです(●´ω｀●) (2020年9月20日 2時) (レス) id: b99f87fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
Misya - 突然のコメント失礼します!ぴより様のストーリーが好きすぎて、ファンになりました！更新頑張ってください！ (2020年3月1日 19時) (レス) id: 6862801167 (このIDを非表示/違反報告)
ぴより(プロフ) - にぼしさん» コメントありがとうございます…！！にぼしさんの性癖に刺されて嬉しいです（；＿；）！更新遅くて申し訳ないですが気長にお付き合い頂けたら嬉しいです！！ (2020年2月20日 22時) (レス) id: f82d25de14 (このIDを非表示/違反報告)
にぼし(プロフ) - 突然のコメント失礼します…ぴより様の書かれるれとさんが性癖過ぎてしんどいです…更新頑張ってください！ (2020年2月9日 23時) (レス) id: 6acb1113f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年11月6日 23時
