４１。 ページ7
. キヨside .
「っよいしょー」
結局1人でAさんをお姫様抱っこして部屋まで運ぶ。足を上手く使って扉を開け、布団に寝かせた。
部屋の間取りは俺らの部屋と全く同じで、机の上にはAさんの編集用のパソコンやカメラの機材が散らかっている。
「ん…きおくん…？」
泣き疲れて眠る彼女の痛々しい寝顔ではない、優しい顔をしていた彼女は、俺が毛布をかけてあげると重そうに瞼を開けてそう呟いた。のそのそと上体を起こして瞼を擦る姿は子供のよう。
「んふふ。好き。」
そう言いながら俺の胸元に抱き着くAさん。俺は一瞬訳がわからず、思考が停止する。
「は？えっ？……なに？」
お酒のせいで頭が上手く回らないのと、身体がすぐに熱を帯びていくのがわかる。
ああ、そうか。Aさんも酔ってるもんな。酔っ払った勢いで、みたいなあれか。ん？酔っ払った勢いって、それじゃあ普段から俺のこと想ってたってことになるんじゃ…？いやいや。そんなわけねえだろ、俺！えっ？じゃあなに？この状況、どういうこと？聞き間違い？
「んー。好き…」
もう一度思考が止まる。2回も言われちゃ認めざるを得ない。え？よく分かんなくなってきた。
混乱する頭を一旦冷静にさせようと、Aさんに目をやる。はだけた浴衣のせいで胸元が見えている。鎖骨についたキスマークを見たとき、俺は何故か無性に腹が立った。頭の中で限界まで張り詰めていた糸が、その瞬間に弾けてしまった。
「っんん…！？」
先程まで頭に絡まっていた感情がウソみたいに消えて、夢中で彼女の唇に自分の唇を這わせた。理性なんてどこにもない。苦しそうに息をしようとする彼女に全身がゾクゾクするのを覚える。その瞬間、やっと頭で自分のしたことを理解した。
「っごめん！」
Aさんは重たい瞼をなんとか開こうとして、すぐに息を整えたと思えば、また眠ってしまった。俺は罪悪感と背徳感に襲われていた。
＿バレなきゃ大丈夫じゃないか？
心の中でそう思ってしまった自分を恥じる。本当に最低だ。急いで部屋を出て、廊下を走った。
「まじであり得ねえって…」
夜風はいつもより冷たく、酔いが覚めていくのと同時に罪悪感でいっぱいになる。ああ、もう取り返しがつかない。一生秘めるべき想いだったのに。
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ちゅ〜る - 更新してくれてありがとうございます！更新されてるのを見て嬉しすぎて叫びたくなっちゃいました、もう内容が好きすぎて...！お忙しいと思いますが更新頑張ってください！心から応援しています(o^^o) (2021年2月17日 0時) (
レス) id: cb42e8d372 (このIDを非表示/違反報告)
Malia(プロフ) - 遅コメ失礼致します(о´∀`о)めっちゃ好きなんですが心臓が持ちません_(┐「ε:)_主様は今お忙しいのかな…?夜しか眠れないほど続きが楽しみです(●´ω｀●) (2020年9月20日 2時) (レス) id: b99f87fcb7 (このIDを非表示/違反報告)
Misya - 突然のコメント失礼します!ぴより様のストーリーが好きすぎて、ファンになりました！更新頑張ってください！ (2020年3月1日 19時) (レス) id: 6862801167 (このIDを非表示/違反報告)
ぴより(プロフ) - にぼしさん» コメントありがとうございます…！！にぼしさんの性癖に刺されて嬉しいです（；＿；）！更新遅くて申し訳ないですが気長にお付き合い頂けたら嬉しいです！！ (2020年2月20日 22時) (レス) id: f82d25de14 (このIDを非表示/違反報告)
にぼし(プロフ) - 突然のコメント失礼します…ぴより様の書かれるれとさんが性癖過ぎてしんどいです…更新頑張ってください！ (2020年2月9日 23時) (レス) id: 6acb1113f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴより | 作成日時：2019年11月6日 23時
